第1話 少年とタマゴ 9 ―勇気の思い―

9


 愛の言葉に、


「あぁ……」


 勇気は吐息混じりで答えた。


「必ず来るさ……明日は」


 そう言うと、勇気は快晴の空を見上げた。

真っ赤に燃える太陽が勇気の顔を睨んでる。

 勇気には、その太陽が幼馴染みの親友の顔に見えて仕方がなかった。


― 桃井はあぁ言うが、お前はどう思う? 俺たちは今もまだ友と言い合える関係なのか? もう何年も会ってないな……不思議だよ、ムカつく程に遊んだ筈なのに今お前がどんな顔をしているのか俺には分からない。


― もし……もしだ、もし……明日が、明日が来たとしても、それが俺たちが望む形の明日でなかったら……お前はどうする?


― いや、無粋な質問だな……分かってるよ。お前は、きっと戦う道を選ぶんだろう? そういう奴だよな、お前は……。諦め知らずというか……あの頃と変わらないお前なら、その選択をする筈だ……


― 俺は……もし明日が、俺たちが望む明日じゃなかったら、俺は……ははっ……お前となら、どんな事でもやってのけられる……そんな気がするよ

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