宇宙人、外が気になる
夜になり、夕食の支度が始まる
配膳台が走り回っているのがわかる。
とても慌ただしい。
私の部屋にも夕食が届いた。
ごはん
おかず
みそしる
バナナ
そしてお茶
いらなくて仕方がなかった。
食事なんてどうでもいい。
そんな状態だった。
しばらく食事を眺めていると
叫び声と引きずられる音
叫んでいるのは高齢の女性のようだった。
男性に穏やかな口調だがかなり強い言い方で落ち着くように宥められている。
おそらくここに保護されてきたのだろう。
「ふざけるな」
「殺すぞ」
「ここで死ぬ」
「わたしはここでおしっこをするからみていろ!」など酷い叫び声だった。
その夜は一晩中その叫び声とドアを蹴る音が響きわたっていた。
本当に汚い。変な人もいるんだなぁ…と思いながら寝ようとした時に気がついた。
私もその変な人と同じ保護室に収容されているじゃないか!と
その時自分の立場をハッキリと理解して一つ思ったことがある。
それさ
「死にたい」である。
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