宇宙人、幽閉される
いろんな人達から大きな声で名前を呼ばれる。そのたびに愛想良く返事を返しているつもりだが、実際周りはそれどころではない。気を失ってから一つ目の病院に搬送され、おそらくひと通り必要な診察と処置があったのであろう。そのあいだに一つ驚いたことがある思い切りお漏らしをしていたのだ。おそらく首を吊って、すっと気持ちが良くなるタイミングがあったので、その時だろう。まぁとりあえずはどうでもいい。横を見ると妻と2歳になる娘が座っていた。クリクリしていてとても可愛らしい目をしてこちらを眺めている。私に似ているとよく言われている。が、それもどうでもいい。申し訳ないとかそんな気持ちがまったくない。そのまま目線を天井に戻した。しばらくして二つ目の病院へ搬送された。そこは馴染みのある精神病院だ。私はここに通っている。理由は二つ、発達障害(ADHD)と双極性障害だ。これも妻と出会わなければ、わからなかった。
じゃなければ、もっと早く首を吊っていたかもしれない。そこで私は寝たまま主治医に一枚の紙を見せられてサインをしたような気がする。そして私はそのまま精神病院の閉鎖病棟へ入院することとなった。いや、幽閉と言った方がただしいのかもしれない。
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