3.お風呂回

 夕餉を済ませた後、ステータスの確認をする。


 ステータスには、あまり変化はないようだ。しかし魔法名の欄に空想概念具現化魔法が追加されていた。


 魔法名一覧が空欄ではなくなったのは、少しばかり感動を覚える。


 フェネのステータスが気になったので、見せてもらうと。


 レベル俺よりも高いじゃん。生まれて十二年の俺が、生まれたばかりのフェネに……。


 魔法名『地獄の門』は、威力から察するところ、かなり高位の魔法だとわかる。魔物が一瞬で蒸気になってたから……。


 地獄の門の魔法の詳細は、指定した範囲内の大気を高濃度な炎に変える魔法である。視認できない上に、呼吸不可能の恐ろしい魔法。


 火走りは、熟練度が上がったことで覚えた魔法のようだ。


 見てみたいような、見たくないような。怖いような、危ないような。


「湯浴みに行くぞ」


「フェネも行く」


「わかりました。俺は後で」


「アサダも来るんだよ。上に乗せてた時、男臭かったぞ」


 マジで(汗)でも、俺男だし。


「何を遠慮している。洗ってやるから、行くぞ」


「マスターも行こう」


 両手を師匠とフェネに引っ張られ、ズルズルと引きずられる。


「フェネ、湖を沸かしてくれ」


「了解~」


 フェネが炎の球を、湖に向かって投げると。水は温まり、お湯が沸きました。


 チェックのワンピースや、下着を脱ぎ捨て。フェネは、そのまま湖に飛び込んだ。


 フェネの容姿は、確かに可愛い。いや、かなり可愛い。しかし俺は、断じてロリコンではない。


 あ、でも身長は同じくらいだから、見た目に対する年齢は、そんなに変わらないかもしれない。


 羞恥心とかないんだなと、思った矢先。スポーンと一瞬で服を脱がされた。


「キャー」


「何を遊んどる。早く入るぞ」


「いやいや、前くらい隠してくださいよ」


「隠す?何で」


「羞恥心くらいもってください」


「何を言っておる。ワシは白虎になっている時は、ずっと裸じゃぞ」


 確かにそれはその通りだけど。


 無駄な脂肪もなく、引き締まったお尻。肌が白く、綺麗な御御足。形の良い、弾力のありそうな胸。そしてまさかの無毛。


 ヤバい、直視できない。


「おい、いつまでそこにいるつもりだ?早く来い」


「マスターも一緒に入ろう」


「入りますから、こっちに来ないでくださいよ」


「何を照れておるのじゃ、可愛い奴だな」


 うぅー、結局逃げ場なしか。


 観念して、湖に浸かることにした。うん、温かい。


 水中にたくさん魚が浮かんでいたのは、見なかったことにした。


「欲情したか?」


「ちょ、からかうのは止めてください」


 顔を真っ赤にして否定する俺を、師匠はカラカラと笑った。


「マスターは、フェネに欲情したの?」


「師匠、フェネに変なこと教えないでください」


 無邪気なフェネに抱きつかれ、柔らかい肌が直接感じ取れる。


「欲情って何?」


「もう限界」


 茹でダコのように体全体を赤くして、意識はそこで途絶えた。

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