童話というか、穏やかなほんわかとした口調でありつつも、
書かれていることは本格的なショートショート。
才気溢れる彼女の願い「世界の平等」。
それを叶えようとする僕は、夢のマシーンを作って「平等化」を実行に移すのですが……
この描写、夥しい数の才能がひとつのボウルに入れられて、グニグニと潰されて均されていくような、そんなイメージを受けました。
上記の部分だけ見るとSFだったりホラーにも見えるんですが、
一文の長さ、すっと流れていく文体、終わり方など、数々の工夫の賜物なのでしょう、何とも柔らかな印象を受けます。
筆致の奥深さを知った一作でした。