第3話 敵討ち…?
「ただ布団に入ってただけで壁に突き刺された私の怒りを思い知りなさい!」
クチナシはそういうと同時に右手を振る。右手に現れたのは炎を纏った剣だった。完全に俺を殺しに来てる。いや流石に怖ぇよ。けどこれはマズい。俺も対抗しなければ。
「は?ちょっと待てクチナシ。え?落ち着こう?」
「知らん!私と布団の時間を奪ったことを後悔させてやる!」
怒号と同時にクチナシは俺に向かって突っ込んでくる。仕方なくバックステップで距離を取り、俺も左手を振り氷を纏った剣を握りしめる。てか俺いつからこんなマンガみたいなことできるようになったんだろ。まぁいい。炎と来たら氷だろう。
「永遠お前そんな事できたのか!」
紫苑の言葉に俺は頷く。
「なんかできた。けど相手が炎なら氷だろ?見てろよ!」
あ、ちなみに紫苑は黒髪ポニテの俺っ娘だ。目が緑で160cmくらいの12歳。戦闘中でもそれくらいのことを考える余裕はある。
「よそ見は死への第一歩。」
「うおっ…危ねぇ…」
とか思ってたら袈裟斬りにされるところだった。それを氷剣で受け止め弾き返す。そのまま近距離で炎と氷の剣で打ち合う。弾き、弾かれ、だがどちらも下がらない。
「永遠死ぬなよー。」
るきも見ていたようだ。るきはタピオカが好きな10歳の女子。黒髪ショートの身長137、黄色のメッシュ…おっと危ない。またよそ見をしてしまった。
「隙きありぃぃ!!!!」
「まだまだァァ!!」
クチナシの全力の攻撃を正面から受け止める。ミシッ…バリッ…受け止めた衝撃で二人の剣が折れる。
「はい!そこまで!」
みぃあの一言で俺達は我に返った。体育館は蒸発したり凍ったりで大惨事。全員が映画を見ているかのような表情でこちらを見ていた。
「まぁ…少しやりすぎたな。」
「永遠のせいだね。」
クチナシにそう言われるが、そもそもの原因は…いや俺か。投げろって言ったし。注意してくれたみぃあは11歳の少女。年齢の割にとてもしっかりしている。紫髪のポニテで身長はそれなりに高く、目の色は赤と青。何cmかは忘れた。そして少し口が悪い。
「永遠もクチナシも反省!わかった?」
「「はい…」」
そして俺とクチナシは数年年下の子に頭を下げるのだった。
***
体育館のリモコンで一瞬で体育館をもとに戻し、また最先端の技術に驚く皆。
「それどうなってるの?」
「俺にもわからん。まぁ使えるものは使おう。」
希空の質問に答えてあげたいとは思うが、俺にもわからないからしょうがない。
「一時間目…後20分位あるな。皆でホログラム見るか。」
というわけで全員でホログラムを見て校舎の広さを確認。その結果わかったことがある。
俺が覚えていたのは基本棟のみだった。それと同じくらいの大きさ、それ以上のサイズの建物がゴロゴロこの辺には転がっている。いくら俺らが特殊な事情持ちだとしてもでかすぎる。
「広っ!迷子になるじゃん。」
にんじんがそう思うのも無理はない。たしか部屋に要望リクエストみたいなロボがいたはずだから全員分の地図+GPS+連絡取れるやつ作ってもらおう。スマホを頼むのが一番早いが、スマホは自分達で持っている。もう一つ持つのはめんどくさい。それなら腕時計型とかにしてもらうほうが良いだろう。
「そのうち皆に地図とか機能ついた腕時計やるから我慢しろ。」
「やったー!」
りめあも喜んでるし、他の皆も目をキラキラさせている。まだ色々わからないことが多い中での生活だが、この調子で行けばどうにかなりそうだ。まだ初日の一時間目だけど。
…待てよ?俺が授業をレクに変えて、体育館を半壊させても何故何も言われなかった?
監視しているのだから一言くらい言われてもおかしくない筈だ。遠くからの監視。徹底的に最先端の技術を投入。なにか関連性があるかもしれないな…
ホログラムを見て楽しむ仲間たちを見ながら俺は一人そんな事を考えるのであった。
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