第9話 学校選びの注意点と住む場所

 留学するとなると、学校選びというのは非常に重要なファクターとなります。自分自身が目指しているレベルと学習環境に加え、住環境と生活環境に大きく関わります。

 また、学費についてや、その学校周辺に住むことになった時の家賃や生活費の相場、を考えた上で選びましょう。


 ここでは、私が実際に留学していた、國立臺灣師範大學國語教学中心(MTC)の場合で説明していきます。


 國立臺灣師範大學は、台北市の和平東路一段と師大路の交差点を中心に建っています。場所は台北市の南部にある、学生街です。

 この辺りは師範大學、臺灣大學、臺灣科技大學と国立大学が近接して並び、また和平東路二段には、私立中国文化大学の中国語センターが、少し北にはグルメ観光地として有名な永康街に、私立淡江大學の中国語センターがあります。

 学生街は留学生が多く、おしゃれなカフェ、安い店、小規模な夜市がたくさんあります。

 積極的に他国からの留学生と切磋琢磨したい、と考えるなら、この地区の学校を選ぶのがいいでしょう。


 台湾で最も大規模な中国語センターは、私が通っていた國立臺灣師範大學國語教学中心(MTC)です。この学校には通年およそ1100人程の留学生がいて、中国茶や中国料理、台湾語、切り絵、中国結び等「文化班」と呼ばれる課外活動を積極的に行っています。

 特にドラゴンボートチームは、台北市の端午節嘉年華常連の強豪で、ここからTEAM MAX極限隊、台日交流龍舟隊、BRACK TIDE黒潮……こういった強豪チームが独立していきました。私は帰国の為引退しましたが、2016年度までTEAM MAX極限隊に所属していました。


 こういった活動をしているMTCでは、授業以外でも他国の留学生と積極的に関わることができ、またレベルが全く違う学生とも交流する事により、学習意欲を刺激することができますし、何より生活に楽しさという付加価値があります。

 また、 MTCは学生の人数が多い分、レベルのクラス分けが細分化されています。自分のレベルにより適したクラスで学習していきたいのであれば、MTCがおすすめです。


 MTCのデメリットとしましては、日本人留学生が多く、ついつい日本語を使ってしまう環境がどうしてもあります。

 日常的に言語のバランスを保って学習していける人でしたら何の問題もありませんが、環境に甘えて努力を怠るかも……という方の場合は、日本人留学生が少ない学校を選ぶ事をお勧めします。

 台北市内ですと、木柵の國立政治大學、士林夜市の最寄駅・剣駅からバスで行ける銘傳大學もお勧めです。銘傳大學の中国語センターは、中南米や旧東ヨーロッパ出身の友人が多く通っていました。




 出願や渡航、滞在先確保について


 いざ留学しよう!と思った時、どうやって出願するの? と困ることもありますよね。各学校の公式サイトには、願書がダウンロードできるページが必ずあります。

 留学生向けですので、中国語以外にも英語のページがありますので、英語が出来る人はそちらを参照にしましょう。

 学校によっては日本語のページを準備しているところもあります。行きたい学校が決まったら、その学校から願書をダウンロードしましょう。

 しかし人によっては、「自分でできない」「専門の業者に頼めないかな?」と思う人もいるでしょう。そう言った業務を扱ってる専門業者もいますので、業者に問い合わせする際には


 ・学校への願書提出代行

 ・ビザの手配代行は可能か

 ・滞在先(住む所)確保も手配してもらえるか

 ・滞在先のロケーションやルールについて


 この辺りを訊いてみるのもいいでしょう。

 自分で手配する時に注意する点としましては、ビザについては台北経済文化代表処へ問い合わせましょう。

 また学校へは、願書とともに提出する書類の有無を確認します。普通は願書以外にも提出するものがありますので、忘れずに同封しましょう。

 台湾では就学ビザ発行の条件が変わりやすいので、提出機関である台北経済文化代表処への確認は、怠らない様に。

 時々こういう大事なことを、無関係な人に訊く人がいますが、先述の通り「ビザ発行の条件が変わりやすい」理由から、提出先以外に確認するのは悪手です。


 学校の環境と住環境が、学費・家賃・生活費とバランスがとれているのかどうかをしっかり確認しましょう。


 一般的に日本人が安心して住めるレベルの住居は、家賃が月1万5000元以上の、「套房」と呼ばれる家具一式も揃ったワンルームタイプです。もう少し家賃は出せる、という場合は、オートロック式のマンションで2万元以上の所を選ぶのもいいでしょう。

 全く参考にはならない話ですが、私自身は5000元程度の「雅房」と呼ばれる、世帯向け物件の1室に住んでいました。雅房は台所やトイレ・シャワー、冷蔵庫等は共同の使用となりますが、その分入居者が複数になる為、家賃が安く済みます。安く暮らしたい人は雅房を選ぶのも手です。


 また、套房は台所がない物件も多いです。台湾は外食文化の国ですからね。自炊したい人は、台所つきの雅房を選んだ方がいいですよ。


 ※私が住んでいた当時の値段です。現在は不動産相場がとても上がっているとのことですので、必ず現地で家賃の確認をしてください。




 お勧めの物件探しサイトは「台灣租屋網」。


 http://www.twhouses.com.tw/


 私もここで大体見つけました。もうサ終してしまったポータルサイトですが、KIJIJIという所でも見つけました。


 台湾では内見を済ませ契約する際、まぁ敷金同様の「押金(ya jin)」を払う場合があり、物件や家主によって違いますが、大体個人が入居する物件であれば、高くて2か月分です。押金が無い物件もありますので、費用を抑えたい人はそこから探してみましょう。


 以下に不動産屋で見る単語の説明を載せますね。


 月租 … 一か月分の家賃

 押金 … 敷金(一般的には1~2か月分)

 房屋坪數 … 部屋の坪数(日本の坪より若干小さい)

 類型 … 部屋のタイプ(套房とか雅房とか)

 出租樓層/整棟樓層 … 空き部屋が何階か/何階建てか

 屋齡 … 築年数

 格局:×房×衛×廚 … 間取り:×部屋 ×浴室 ×台所

 電梯 … 建物にエレベーターがあるかどうか

 車位 … 駐車場


 本当は実際に台灣租屋網で使われている表示の画像を載せたいところですが、カクヨムでは画像が載せられない為、表記でご勘弁ください……。


 台灣租屋網で紹介されている物件内に揃っている家具や付属品には、チェックがついています。

 套房は家賃の中に水費・電費・瓦斯費(水道代・電気代・ガス代)が含まれている事があります。それらの項目にチェックがついているかどうか、確認しましょう。また、多くはネット環境があります(寛頻網路)ので、ここも確認。


 大体の物件には冰箱(冷蔵庫)、床(ベッド)、冷氣(クーラー)がついています。


 私は元々テレビを殆ど観ない人間ですので、テレビがなくても困りませんでしたが、ネットはよく使う人間でしたので、 寛頻網路があるか無いかは死活問題でした。

 最後に住んだ物件はネット環境がなかった為、Wi-Fiカード購入 → スマホのテザリング、で対応しました。以前は中華電信が「Wi-Fiカード」なるものを販売していました。私は毎回30日間有効のものを買っていて、住んでいた所からすぐ近くに中華電信の販売店がありましたから、そこから飛んでるWi-Fiにつなげてネット利用していました。

 しかしWi-Fiカードが廃盤となった為、スマホのテザリングに変えました。私が当時使っていたスマホは、1年分の使用料を一括で支払う代わりに、ネット使用無制限というプランでした(これはかなり特殊な契約なので、留学生ではまず利用できません)


 また、物件の事ではありませんが、「電洽(dian qia)」という単語もよく見かけます。これは「(電話にて)要問合せ」という意味です。入居者募集している物件数が多い家主さんが、この様に書いている事が多いですね。


 一人暮らしは寂しい……という人は、最初のうちはドミトリーや学生宿舎を利用するのも手です。ドミトリーに宿泊し、学校で友達やルームシェアしてくれる人を探し、一緒に内見に行くのもいいでしょう。

 ただし語学留学の場合、学校側が宿舎を用意していない場合もありますので、留学予定の学校へ問い合わせておきましょう。

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