第10話 人間関係と渡航前の事前準備について
現地で恋人を作る
これはよく上達の近道だと言われていますね。
それ自体は事実ですし、好きな相手に自分の気持ちを伝えたり、相手の言葉を理解しようとして、一生懸命覚えようとしますから。異文化を相互理解する為にも、選択肢の一つとして、視野に入れていいと思います。
但し、言語交換の相手を選ぶ時と同じく、ある程度知的レベルや、生活レベルが高い相手と付き合うことをお勧めします。
この理由は言語交換の相手探し以上に単純です。相手と生活を共にする場合、常識のある人間でなければ、生活は勿論のこと、二人の関係も続きません。
これはよくあるトラブルなのですが、台湾では「日本人と付き合う」というのはまあまあのステータスとなります。つまり他人にマウントを取るために、好きでも無い、ただ日本人だというだけで付き合ってる、という場合があることは、絶対に頭の片隅に入れておいてください。
実際に私の友人が被害にあったパターンですと、友人彼氏は外見の良い日本人の友人と付き合ってる、というステータスの為に、友人と付き合い始めましたが、友人彼氏には本命の台湾人彼女がいました。この男、彼女がいるにも関わらず、友人に手を出したということです。
本命の彼女が友人に対して
「あなたは〇〇(友人彼氏)に弄ばれているだけ、早く別れて」
とLINEしてきて、そこで初めて友人は二股かけられている事を知りました。友人は当時、あまりに傷ついて暫く立ち直れませんでした。
また、かなり特殊な例ですが、こんなトラブルもあります。
現地の台湾人とではなく、留学生同士で付き合うパターン。それ自体が悪いことという訳ではありません。問題なのは、あなたが日本人女性で、相手が白人男性だった場合。
これ、何が問題なのかというと、あなたと親しくしている、または顔見知りの台湾人女性が、寝取っていく場合があります。理由は……本当にくだらないな~、と思いますが
「白人男性と付き合えてるアタシすごい」
という価値観が、未だに残っているからです。
ただ、これは何も台湾に限ったことではなく、日本にも一定数そういう女性はいますし、中国や韓国にもいます(そもそも中国人も韓国人も、アメリカやカナダ、オーストラリアなんかに移民しまくってる現状を考えたら、さもありなん)。
こういう事が起き得ますので、現地で恋人を作る事自体は反対しませんが、自分が傷つく結果となる「諸刃の剣」でもある事を、理解した上で選択肢にいれましょう。
これは台湾でだけ起きるのではなく、他の国でもよくある事です。国際カップルになって、トラブルを共に乗り越える覚悟が無い場合、この選択肢は勧められません。
また、台湾人の場合ですが、嫉妬深かったり、長く根に持つ場合が多く、仕事の妨害をして、出世の邪魔をしてきたりしますが、恋愛がらみともなりますと、こんなトラブルに発展することもあります。
私の友人(日台ハーフ)とつきあっていたフランス人女性は、フランス語の家庭教師を担当していた相手から告白されました。しかし彼女は既に私の友人と付き合っています。その為
「気持ちは嬉しいけど、私はもう既に日本人の彼氏がいるから、あなたの気持ちには応えられない」
と断りました。
後日彼女は警察に連行されました。何故なら、彼女に告白した生徒が「〇〇というフランス人の女は、〇〇のカフェで違法就労している」と警察に通報したからです。
彼女はフランスへ強制帰国となりました。
そして「同レベルの人から教わらない 同レベルの人に流されて起きた悲劇」にも書いた通り、台湾はビザの基準がかなり厳しい国です。
一度こういうビザの違反があると、一定期間台湾への入国が認められない事があります。軽微であっても、ノービザでの訪台ができず、毎回必ずビザ申請をしないといけなくなる、など面倒なことになります。
他に台湾での犯罪行為も、入国拒否の原因となります。交通違反が理由で入国拒否を食らった友人がいます。
ですから「言語の上達の為に、現地の恋人を作ろう!」という考えで、安易に恋人関係にならない方がいい、と言えます。
相手が
「日本語覚える為に、日本人と付き合おう」
「日本人女性と付き合えば自慢できる」
「日本人男性と付き合えば、お金に困らない」
って考えて、あなたに近づいてきたら、納得できますか? それと同じことですよ。
スポーツや文化活動のサークルに参加する
現地の人と恋愛関係になる場合に起きうるリスクを、前の内容で説明しましたが、それ以外に現地の人と親密に交流を持つ機会もありますので、トラブルを避けたい方は、こちらを検討されるといいでしょう。
それが、スポーツや文化活動のサークルに参加すること。特におすすめなのは、現地が本場と言われるスポーツや文化活動、チーム競技のサークルに参加すること。
私の場合は台湾にいましたので、龍舟(ドラゴンボート)のチームに参加していました。リーダーは日本人でしたが、サブリーダーがアメリカ人。私が所属していたチームは国際色豊かで、チームの共通言語が中国語・英語・スペイン語でした。これは否が応でも外国語を話さねばなりません。強制的に外国語が上達できる環境におかれているわけですから、大変ではありますが、同時におすすめの方法です。
しかも多文化への相互理解も深められ、見識を広げることができます。個人的には、恋人を作るよりもおすすめの方法と言えますね。
また、スポーツや文化活動を通して、あなた自身にできる事が増えたり、仲間と過ごし切磋琢磨する時間も、かけがえのない財産です。
留学前に準備しておくこと
いざ留学が決まった!
実際に現地で留学生生活を始める前までに、しなければいけないことがまだあります。
住む場所は決まりましたか?
決まってない場合は、留学する前に短期旅行して、物件を探しましょう。これについては「出願や渡航、滞在先確保について」で再度確認しましょう。
日本人にはあまり知られていませんが、台湾の不動産屋は、不動産の売買についてが主な業務なので、賃貸については高級な物件ぐらいしか取り扱ってない、と思ってください。なので台灣租屋網の様な総合サイトで、家主が個人で情報を提供しています。
相手から訊かれるかもしれないので、ある程度自分の国についての基礎知識を身につけておきましょう。
これは私自身留学中に知って驚いてしまったことなんですが、意外と日本人、日本の事を知りません。何も専門知識レベルのことは必要はありませんが、基礎知識と呼ばれる程度のことぐらいは把握しておきたいところ。
では私が実際に遭遇した話を。
授業で「自分の国の独立記念日と由来を話してください」という課題が出ました。
さて、皆さんはこの課題に答えられますか?
先に出してしまいますが、私の回答はこうです。
「日本に独立記念日はありません。ただ、建国記念日というのがあります。それは2月11日。由来は今から2669年前(この体験は2009年にありました)の2月11日、初代神武天皇が即位したのが2月11日だと言われているからです。正確な記録があったのではなく、即位の年代を歴代天皇の在位期間などから算出したら、紀元より660年前の2月11日だとはじき出された、というのが定説となっています」
授業を担当していた先生は、しばらく黙ってから、こう言いました。
「この質問して、ここまで詳細に答えられた日本人はペン子が初めてだわ」
先生の反応を聞いて驚きました。私にとっては常識だったことが、一般の日本人の中には、未知の話だったということに。
落ちこぼれから学ぶ、バイリンガルへの道 ペン子 @semifinal79
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