第4話 四聲の変化、破音字、単語と熟語

 1 四聲の変化



 これは今までと比べると、あまり難しく考えなくてもいいかもしれません。

 四聲の変化にはちゃんと法則があります。


 例えば、三聲がふたつ続いた時。

 1つ目が二聲に変わることによって、発音しやすくなります。


 代表例はやはり你好 でしょうか。

 これは本来どちらも三聲ですが、一つ目が二聲に変わります。

 ですから二聲・三聲と発音します。


 他にこんなのもあります。


「九十」など、三聲の後に入る二聲の発音です。

 三聲で終わった時の音程のまま、次の二聲を発音します。

 チェックマークみたいな形の、右上がりな発音です。


「え?」


 と思うかもしれません。が、理屈はこうです。

 その方が途切れず発音できて、自然できれいに聞こえるからです。

 三聲でせっかく上げたのに、次の二聲でまた低いところからはじめなければいけない。これってすごく面倒ですし、何より耳障りなんですよ。


 これについては、きちんとした先生について教わらないと、正しく教えてもらえないことが多いでしょうね。


 また、後ろの発音によって、二聲になったり四聲になったりする発音もあります。この法則は非常に簡単で、後ろが四聲の時は二聲に、後ろが一聲・二聲・三聲なら四聲に変化。

 これらは覚えていくしかありません。






 2 実は、使われる状況によって読み方が変わる字がある!



 一般的に、中国語の読み方は、一つの字に一つです。


 ……と思われがちですが。


 厄介なことに、使われる状況によって、読み方が変わる字も存在します。その中で代表的なのが「樂」ですね。

 楽しい・幸せと言った形容詞的な使い方の時は「leˋ ㄌㄜˋ」と読みますが、「音樂」となると、途端に「yüeˋ ㄩㄝˋ」に変わります。


 このように発音が変わる字を「破音字」といいます。

 中国語は意外に破音字が多いので、発音の種類が複数ないか、辞書で確認しましょう。勿論先生に確認してもいいですよ。


 正直、これも覚えていくしかありません。






 3 単語・熟語は覚えるしかない



 きちんと話せるようになるには、語彙力がものを言うのは、まぎれもない事実です。

 語彙力が乏しいと、会話で伝えられることも伝えられず、歯がゆい思いをします。

 一言で表せるのに、語彙力が乏しいせいで、回りくどい説明をしなければいけなかったりします。


 例えば日本語にもあるこんなことわざ。


「噂をすれば影が差す」


 これ、中国語にもあります。


「說曹操,曹操就到 」


 ストーリーまでは知らなくても、「三国志」という単語を知らない日本人はほとんどいないと思います。

 三国志に出てくる曹操は、孔明と並んで頭がいい武将。


 直訳すると「曹操の話をすると、曹操がすぐやってくる」ですが、意味は「噂をすれば影が差す」です。

 語彙力があれば、伝えたいことを伝えられる確率が、ぐっとあがります。


 ですから、単語と熟語、成語はたくさん覚えてください。


 テキストで、授業で、普段の会話で、テレビやラジオで。


 語彙力を強化する機会は、あらゆるところに転がってます。

 今はネットやYouTubeで、中国や台湾の番組を無料で見ることができます。

 特に台湾の番組は、ニュースでもバラエティでもドラマでも、字幕があるのが通常ですから、勉強の役に立ちます。

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