第3話 「ん」が難関
そして日本語で言う「ん」の発音。
この区別は多くの日本人にとって難関です。
最初に発音について説明しますと、究極、これです。
an(ㄢ) en(ㄣ) の発音は、舌と下顎が上顎につく「ん」!
ang(ㄤ) eng(ㄥ) の発音は、口が開いたままの「ん」!
日本人にとってこの発音が難しいのは、日本人にとって「ん」の読み方は一つ……だと思っているからです。字が1つしかありませんからね。
実際に発音してみますと、日本語の「ん」の発音は、「ん」の後ろにある発音に依存して変化します。
一番よく違いの例に出されるのが「案内」と「案外」です。
この二つの「案」、全く同じ字です。
しかし、外国人が聞くと
「発音違う……同じ字なのに……同じ表記なのに……」
と困惑してしまいます。
では、どのような違いがあるのか解説します。
「案内」…… 口が閉じる「ん」
「案内」の発音は「あんない」ですが、この発音は、口を閉じる「ん」の発音です。
「ん」の後ろにある発音が、口を閉じたり舌を上顎につけて発音するタイプの「な行」だからです。
皆さん、「なにぬねの」を発音してみてください。
どの発音も、舌と下顎が上顎につきますよね?
後ろにこの発音がついた時の「ん」の発音が、an(ㄢ) en(ㄣ)に相当します。
他にも、「探偵」もan(ㄢ)の発音です。
では、「案外」はどうでしょう。
「ん」の後ろにくる発音は「が行」です。「が行」の発音は、口が開いたまま、または舌や下顎が上顎につかない発音です。
ピンインですとangの発音です。
このように、実際には日本語でも「ん」の発音が二種類ある、という事がわかります。
中国語を学ぶ日本人が間違えがちな「ん」の発音としては、an(ㄢ)やen(ㄣ)を、ang(ㄤ) eng(ㄥ)と発音してしまうことです。
これはネイティブの先生がいくら正しい発音を一生懸命教えても、元々日本人の概念に「んの発音は一種類」という思い込みがある以上、口の前に紙を出して発音させようが、何度練習させようが、本人が気づかない限り効果がでません。
だって私自身そうでしたから。
ネイティブの先生なら、絶対に「正しい発音」ができます。
ですが、外国人、特に日本人に「どうすれば正しい発音ができるか」を、「日本人がわかる方法や理屈」で教えることは、かなり難しいと言えます。
こればかりは、実際にできなかった人間が、どうやったらできる様になったか……という手法で教えないと、正確に学べません。
私はできない側の人間から、できる側になった人間です。
ですから、「今、できない人」に教えることができます。
さぁ、もう一度復習しましょう。
an(ㄢ) en(ㄣ) の発音は、舌と下顎が上顎につく「ん」!
ang(ㄤ) eng(ㄥ) の発音は、口が開いたままの「ん」!
これを頭に入れたら、下に紹介する単語を声に出して読んでみましょう。
訓練 ㄒㄩㄣ xün ㄌㄧㄢˋ lianˋ
高雄 ㄍㄠ gao ㄒㄩㄥˊ xiongˊ
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