第40話

俺は、小倉にいじられて少し肩の力が抜けた。

 俺は、小倉に告るという事を意識していて少し体の変な所に力を入れていた。

だから、今は気軽に小倉に言える。言える気がする。


「なあ、小倉?」

「なんですか先輩?また、足がしびれたんですか?欲しがりですね~先輩」


俺は、冷蔵庫で何かないかとあさっている小倉に呼びかけた。

 小倉は、俺が隠していたエナジードリンクを片手にこっちを見てニマニマしている。このニマニマ顔は、俺をまたイジメられると俺のエナジードリンクを見つけて立ったぜっという気持ちが顔に出ている。


「なあ、小倉付き合おうよ」

「え!?....イッタ!!」


小倉は、エッと驚いて右手に持っていたエナジードリンクを足の指に落としてしまい、足の指を抑えかがんでいる。


「ど、えあ、コンビニにですか?」

「いや、恋愛的な意味で」

「え?え!?どうしたんですか?俺恋愛に興味ないんでって言う鈍感先輩が急に私に告白ですか!?」

「そうですけど?」


小倉は、なにかテンパっているのか早口だ。


「え、え、」

「返事はいつでもいいよ?」

「スーハー」


小倉は、深呼吸をして落ち着かせているようだ。


「し、仕方ないですね~先輩はどうせ未来永劫独りぼっちだと思うので、私が付き合ってあげます。」

「え、いいの?」

「いいんですよ。先輩は、全然恋愛に興味がないとか言っていたから私がむしろ告白しようか悩んでいた感じなんで。」

「え?」

「先輩ってやっぱり鈍感ですね」


っと、小倉は俺の隣に座り微笑んだ。

長友の言うとおり、小倉は俺の事が好きだったようだ。

こう言ったら変だが。小倉は俺の事が好きだったことに驚きだ。

俺は、ゲーム好きのオタク俺の事が好きになる女性は居ないとか思っていた。そうゆう、先入観があったからだと思う。


「これは、もう先輩の家で同居してもいいと言うことですか?」

「いや、まあ...同居と言うか半同居になってるから違和感ないしまあ、別にいいけど。」

「まあ、私も同居って言ってもいつも道理なので新鮮感がないですね」

「まあ。お前が勝手に家に来て強制的に泊っていつの間にか同居生活しいてたからな~」

「作戦です。」


っと、俺たちはあっさりと付き合った。

今思うと、俺と小倉は恋人と同じ感じの事をしていたのかもしれない。

 まあ、普通の恋人がどんなのか分からないけど。


****


俺と、小倉は付き合うことが出来た。

出来たが、今までと変わらない。変わったと言えば、小倉が俺の部屋に遠慮なく私物を置いて行く。今は足の踏み場がないので要らない物を捨てるように言っている。

 家族には、俺が付き合ったとかいうと色々めんどくさいのでこれは黙っている。


今までと変わらない、小倉との同居生活。

 そういえば、俺と小倉っていつから同居しているんだろう?

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いつの間にか気づくと後輩と同居生活をしていた件 暁 とと @hatipati

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