第24話 合コンの帰り

合コンが終わった帰りに、俺と小倉は一緒に帰ることになった。

 まあ、小倉は俺の家に泊る為にコンビニでお菓子とかを家に置いているのだろうけど....しかし、オシャレした小倉なんて初めて見たと思うけど、中々可愛いな。


そんなことを、帰り道に小倉の顔を見て可愛いことを再確認していると、小倉が真面目な顔で急に、何故合コンに行ったのか理由を聞いてきた。


「先輩、どうして合コンなんて行ったんですか?彼女でも欲しいんですか?」

「どうだろな、俺は彼女が欲しいのかな~まあ、今日合コンに行ったのは、長友のおごりだからついて来たんだけどな。」


俺は、合コンに行ったり理由が長友のおごりだからと教えると、にやけた顔で俺の服をいじってくる。


「先輩らしいですけど、先輩その服ダサいですよ。」

「やっぱり?」


自覚はあったのだか、改めて女性にダサいとか言われると少し傷つく。

 というか、これが俺らしい服装とは失敬な。俺はにも、アニメキャラクターがプリントしてある服もあるし、昔ファッション雑誌で買った服だってあるのだ。


これがいつも着ている服で合って、らしさではない。撤回を要求しようと思ったが辞めた。

 もし、そんなことを言ったら、『え~先輩アニメキャラの服着てるんですか~恥ずかしくないんですか?』とか『ファッション雑誌でって、先輩女性にモテようとしたんですか~それでも彼女が居ないとか可哀想ですね~』とか小倉にニヤついた顔で言われそうなので辞めた....


「まあ、そんなダサい服を着ている先輩が合コンに行ったって、モテるわけがないと思いますけどね~」


俺は服装でモテるモテないの判断はおかしいと思う。それに、俺はモテないじゃなくて、他の女性と関わりを持たないからモテてないだけで、交流の場に出たら持てるかもしれないんだ。


っと、少し言い訳っぽい事を頭の中で言い訳した。


「何を言う。小倉は俺に一生童貞宣言をしたのと同じことだぞ!?」


「クスクス〜先輩は童帝と言う称号はお似合いかも知れませんね〜


満面の笑みで俺の童帝について笑ってくる。

いつもなら、チョップでもしてその笑いを止めてやるのだが、今日は可愛いので手が出しずらい。

なので、今日だけは許してやる。


「あれ、先輩今日は何もしてこないんですね?こんなに笑ってるのに」


「まあな、今日のお前は一応おしゃれして可愛いから手を出すのは辞めておいてやる。」


「んな!?」


 やっぱり、小倉も女性だ。オシャレしたて可愛いと褒められるのは嬉しくもあり、恥ずかしいのであろう。

珍しく、俺が小倉を褒めると顔を真っ赤にして顔をそらした。


「セ、先輩、急にどうしたんですか!?そんな褒めても何も出ませんよ?ですが、私が食べる食べるはずだったチョコを先輩にあげます。」


「出たじゃないか」


っと、朝に俺の部屋に来た時にコンビニで買ってきたお菓子をくれるようだ。


「私の事を先輩も褒めてあげます。」

「お~お前も他人を褒めれるとは~」

「何をいいますか!?私だって褒めることができ...クスクスクス...あ、すいません。先輩の服を褒めようとするとつい笑いが....クスクスクス...」


思い出し笑いか、俺の顔をチラチラと見ながら笑いをこらえている。


「痛いです。何をするんですか?せっかく、先輩を褒めようとしてあげたのに」

「笑ってただろうが」


いつまで経っても、笑いが止まないので俺は小倉の頭にチョップを食らわせて小倉が俺に対して笑うことを強制終了させてやった。


「もう、先輩にあげるはずだったチョコは私が食べます~」

「それはダメです~お前は俺にあげると言ったので、俺のものです~」


っと、チョコで言い争いながらも俺は自分の家に早く着きチョコを食べようと走った。

 その後を追って、小倉も後を追ってくる。

スカートだから、走りに食いはず。卑怯?そんなことを言われても俺はチョコを食べる。

 そんな思いで、俺が一番でドアノブに触れた。


「これで、チョコは俺の物だな」

「ハァ、ハァ、ハァ....卑怯です。私はスカートなんですよ?」

「それは、運が無かったことで」


息を切らし、俺の後ろで息を整えている小倉を見ながらドアノブを開けようとすると、小倉がドアを開けるのを阻止しようと俺の背中を掴みかかろうと焦ったせいで、スカートの裾を踏んで転倒しそうになった。


「きゃああ!!」

「おい、大丈夫かよ。足元気をつけろよ」

「ご、ごめんなさい」


小倉がこけそうな所を何とか、小倉の両脇を持ち転倒を何とか阻止することが出来た。そのせいで、俺のお腹に胸が当たり顔が近くなってしまった。

 少し恥ずかしい(?)のか、小倉をすぐに引き離した。


「あ、ありがとうございます。」

「気おつけろよ。」

「はい....隙あり!!」

「あ!!」


俺は小倉を助ける為にドアノブから手を放していたので、小倉がその隙を付き、ドアノブに触れて俺の家の中に入った。


「いただき~」

「卑怯だぞ!!」

「それは、運がないだけです~」

「クソ~...」


小倉に向かって言った言葉が、帰ってきてしまった。

 最初は勝ってたのに...と言う思いはあるが小倉を助けたと言う後悔はない。


「ですが、先輩は私を助けてくれたので半分あげます。」

「おお~ありがとう~」


良いことをすると、帰って来るとはこういう事は本当だったのかと思わされた。

 俺と小倉は半分にしたチョコをデザートとして食べた。




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