第20話 長友とご飯

なんとか、金欠生活を断食せずに抜けれることが出来そうだ。


小倉に作ってくれたカレーや朝ごはんの2日目のカレーなど、俺を金欠に追い込んだ犯人の小倉に助けれる感じではあるがあと1日、なんとかなりそうである。


「先輩お弁当です」


「お弁当箱持って来てたのか?」


「はい。当然じゃないですか」


「え、当然なのか?まあ、お弁当ありがとう」


という感じで、朝から講義のある俺は小倉にお弁当を渡されて、先に大学に向かった。


「おう、昴」


「なんだよ、長友」


「今日はあの子とは一緒じゃないんだな?」


「そんないつも居ると思うか?」


「まあ、それもそうだな。」


という感じで、一緒に講義を受けることにした。

しかし、長友はイケメンであり頭がいいので、必要な出席の分だけを取って、後はテストでいい点を取って単位をとる感じなので、大学に顔を見せるのはあまりない。


「一緒に食堂でご飯食べるか」


「いいねど、俺は弁当」


「へえ〜弁当を作ってくれる彼女でも出来たか〜?」


「彼女なんて出来ると思うか?」


俺は、長友に問いかけた。


「いや、千紗ちゃんがなってくれるんじゃないか?」


「いや、それはないだろ?」


長友に大学で友達を作ることは出来なかった俺が、彼女なんて作れるか聞いてみると、小倉が彼女になってくれるとか、ふざけたことを言ってくる。


小倉は俺が可哀想だから、話してくれたり遊んだりしてくれるし、心配だから色々してくれるいい友達だと思っている。小倉もそう思っているのだろう。


そんな関係の俺達が彼女になれるとか考えられない。小倉は可愛いから、俺みたいなのとは釣り合わないだろうしないし。


そんな事を思い、食堂でお弁当を広げ長友と一緒に食べた。


「お、長友はとんかつ定食にしたのか」


「そうだけど、このとんかつと交換したかったら、お弁当の中身のおかずをくれるなら、1切れだけならあげるけど?」


そう言われたので、卵焼き・焼き魚・ソーセージ・ミートボールのおかずの中で、俺が1番美味しいと思う卵焼きをあげることにした。


「じゃあ、この卵焼きとで」


「いいね。じゃあ、このとんかつの切れ端と」


「その真ん中のがいいんだけど〜」


俺は多少不満を言いながらも、端の方のとんかつと卵焼きを交換した。


「ん〜とんかつは美味い」


「昴の卵焼きも美味いじゃないか。いつに間にこんなに料理の腕を上げたんだ?」


「ん?俺は作ってないぞ?これは小倉は作ったやつだぞ?」


「はあ?」


急にキレたような声を出した長友


「それはもう、付き合っているんじゃないか?」


「いや、小倉が俺の財布の中を空にした償いとして、作ってる感じだから、そういうのでは無いぞ?」


「いやいやいや、彼女じゃない人がお弁当を作ってくれる人なんて居ないぞ!?」


机から顔を乗り出し、顔を近ずけて大袈裟そうに言う。


「そうかな?まあ、それはそういうのではないと思うけどな」


っと、話していると、小倉は俺を探していたのかお弁当を持ってこっちに来た。


「先輩、今日は食堂なんですか?金欠先輩なのに?」


「いや、俺は長友に誘われたから食堂で食べてるだけだぞ?」


「じゃあ、私もここで食べますね」


「お、おう」


そう言って、俺の隣に座り小倉もお弁当を食べ始めた。



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