第12話

小倉と話が盛り上がったのか日が暮れた頃に彩が帰ってきた。


「兄さん、ただいま〜」


「おかえり〜小倉と話してどうだった〜面白いやつだろ〜」


「ん〜私は面白いより、可愛いって感じたけど」


小倉は彩にどんな事を喋ったかは分からないが、小倉が可愛い?俺は小倉が、からかっている顔しか思い浮かばないのだが....


「あと、小倉さんとナイン交換したよ。」


「お〜」


ナインを交換した証拠として、スマホを見せてきた。


どうやらナインを交換するほど仲良くなったらしい。しかしナインを交換した時、小倉が俺のことを何か吹き込まないか心配ではあるが、彩は表情筋が死んで無表情なので俺と同じ友達が少ない。なので、彩と話す友達が出来て兄として嬉しい。


「あと、オレンジジュース奢って貰った。」


「後で、お礼でも言っとくは〜」


など小倉とどんな事があったのか話しを聞いていると、ジューっと言う油にあげられた音がした後、少ししてトンカツと豚汁が出来上がった。


「はい、兄さんできたよ〜」


「おお〜美味しそうじゃん」


トンカツは黄金色になっており、箸をスっと走らせると『カリカリ』と言う音がなる。トンカツソースをかけて食べてみた。


「どう、兄さん美味しい?」


彩は早くトンカツの感想を聞きたいのか、まだトンカツを口に入れて数秒しか経っていないが聞いてくる。


「美味しい!!彩は料理の腕あげたな〜」


「まあね〜兄さんのために練習したからね♡ 」


口の中の物がなくなり美味しいと伝えると、表情では分からないが嬉しそうだ。


「そういえば、ちゃんと小倉のパンツ返したか?」


「....あ、わ、忘れてた。今度会う時にパンツ返す。」


小倉と彩を2人っきりにした理由は、俺が居てはパンツを返すことが出来ないのだろうと思い、2人っきりにしてみたのだが、話が盛り上がったようで、パンツを返すのをすっかり忘れてしまったようだ。


しかし、彩は小倉とナインを交換したのでいつでも返せるだろう...


「兄さんあと、豚汁の人参も食べてよね」


「ええー」


「食べないと、兄さんのパソコンの...」


「わ、わかった!!」


パソコンと言われただけで分かってしまう。俺は妹に弱みを握られている。


しかし、豚汁に入ってる人参は薄く切ってあり、汁の味つけが濃くして、人参の独特の甘みを消してあるので人参が食べることが出来る。トンカツ・ご飯・豚汁を食べ終わり、満腹なので一息着いている間、彩が食器を片付けている。


「そういえば、兄さんってMなの?」


「ブー!!」


急に妹にMなのと聞かれたことがないので、お茶を吹きこぼしてしまった。


「ち、違うぞ!?」


「小倉さんが兄さんはMだからって....」


小倉め〜彩に変な事を吹き込んだな!?

小倉の「妹にMとか言われてる〜」とかの笑っている顔が想像出来る。


「それは、小倉が勝手に言っているだけなんだ!?」


「ドM変態兄さん」


慌てて、弁解をするのだが今度はドM認定をされてしまった。多分だが、俺が異世界でステータスオープンとか叫んだステータス画面が


佐藤 昴 ♂

年齢:20歳

LV 1

HP ・10/10

こうげき・3

すばやさ・2

防御力・3

EXP・0/10


称号 : 変態・ドM


とかになっているかもしれない。


ドMなどの話はあやふやになったが、近くの俺のおすすめの銭湯に行き体が温まり、家に帰った。


「兄さん一緒に寝る?地べたじゃ寒いと思うし...」


「寝ない」


「むーー」


妹とは言え異性である事には違いない。一緒に寝るにはまずいと思い断ったのだが、何故か彩は唸り出したが、何か不満でもあるのか?っと思いつつ部屋の電気を消した。


「兄さんおやすみなさい。」


「おやすみ〜」


彩は布団で眠り、俺はクッションを枕にして地べたで眠った。

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