第4話

朝起きると、部屋はまだ臭いが、換気扇を回していたおかげで昨日のドリアンを食べた時より臭くは無い。


そろそろ、大学に行こうと思うのだが自分の服がドリアン臭いのか臭く無いのか分からない。


女性にはわからないだろうが◯子も同じである。

自分では匂いがわからないが、他の人が匂うと臭いそれと同じ感じだ。


と言う事で、寝巻きから着替えたがとりあえず全力で大学に行く前に体中にファブリーズをファブった。


ファブリーズの匂いの方が多少匂うが、嫌では無い匂い


大学ではまあ、友達作りを失敗して大学での友達はいないので、喋る人があまりいない。


どうやら、今日は小倉と同じ講義だったようで横で座って自分の匂いを嗅いでいる。


「先輩、私って臭くないですか?」


「臭くは無いが俺に聞かない方がいいと思う。俺もドリアンの匂いで鼻にバカになっているからな」


「先輩は、なんかいい匂いしますね。」


「ファブったからな」


「私もファブったらよかったな〜先輩ダメ元で聞きますけどファブリーズ持ってないですか?」


「持ってるぞ?」


俺は臭いと言われるかもしれない。なので、追いファブをしようと持って来ている。


ファブリーズをバックから取り出した。

大学生がバックの中にファブリーズを持っているのは、ドリアンを食べた人ぐらいじゃ無いだろうか?


「先輩、たまには役に立ちますね。」


「そんな事言うと、貸さないぞ〜」


「先輩よ、イケメンそれにカッコイイです!!早く褒めたので貸してくだい。」


心がこもっていないお褒めだが、小倉にファブリーズを渡した。


「じゃあ、先輩このファブリーズ借りますね」


「ここでは、ファブルなよ〜」


「分かってますよ」


講義まで時間があるので、教室から出て小倉はファブリに行った。


「先輩ありがとうございます。」


「もう、空じゃないか」


「だって、半分しか無かったんですも〜ん。」


ファブリーズを空にしたにが恥ずかしいのか、顔を横に向けた。


とりあえず、空になったファブリーズをバックに入れ講義に必要な物を机に出し講義を受けた。


授業が終わると、小倉は大学の友達に匂いがするかどうか聞いていたが、どうやらファブリーズの匂いしかしないらしく臭くは無かったそうだ。


まあ、半分も使えばファブリーズの匂いしかしないだろうが...


「せ〜ん〜ぱ〜い!!」


「どふぁ!!」


俺は大学での講義が終わり帰ろうとしている途中で、俺を呼ぶ小倉の声が後ろの方からするのだが、振り向かず無視して歩いていると俺の背中に強烈な一撃を喰らわされた。


一瞬何があったか分からなかったが、俺の顔は地面と近くにあった。


「先輩大学のそれも道の真ん中で寝ていると誰かに踏まれますよ?もしかして、そう言う性癖でしたか?ごめんなさい私が先輩の性癖を分かってあげられなかったために...」


「おま...急に人の背中に頭突きをするのはおかしいだろ!!」


「先輩が私の事を無視するからですよ」


「いや、お前あと一つ講義あるんじゃないの?」


「あ、先生が急な盲腸で講義が無くなりました。」


小倉の次の講義の先生は確か60代の先生だったけど大丈夫かと心配しながらも、今にも小倉に背中を踏まれそうな俺は服についた砂などを払い立ち上がった。


「俺にはそんな踏まれてたいとかの性癖が無いぞ。あと小倉、俺の背中を踏もうとするな。」


「え〜」


「なに不満そうにしている」


踏まれる前に立ち上がり、注意すると何か不満そうな顔を小倉はしている。


しかし、小倉にそんな人を踏む性癖があるとは、恐ろしい子


「先輩今から帰りですか?」


「そうだけど?」


「あの、イカ臭い家にですか?」


「だ、だ、誰の家がイカ臭いって!?」


「ぷ〜クスクス。先輩何慌ててるんですか〜ドリアン臭いんですよね〜」


「だ〜れが俺の家をあんなに臭くしたんですか?今でも換気扇をガンガン回しているんですけど?」


何をとぼけた事を言っているのだろうか分からせようと鼻を掴んでやった。


「イダダダ!!先輩痛いです。鼻掴まないでください。」


「それより、何のようなんだ?」


「あ、別に先輩の背中に頭突きをしたかっただけなので、特に用とかは無いですけど」


「お前はイノシシか、それと俺は家に帰る前に寄るとこが出来た。お前のせいでな」


「じゃあ、感謝してもらわないといけないですね。私のおかげで、漫画を読むかゲームをするかアニメを見るかしか脳のない先輩を家に直行する事を阻止したのですから!!」


何を自慢げに胸張っているのか、俺は小倉がニマニマしている顔を見ているとイラッとして小倉の頭をチョップした。


「痛いです。何するんですか。先輩、図星だからってチョップする事ないですか」


「ちょうどいい所に頭があったからな」


「それより、先輩はどこに寄るんですか?」


「お前の頭突きのせいで、腰が痛くなったから温泉に行ってこの腰の痛みを取りに行くんだ」


「じゃあ、私も行きます。」


「お前は来るな」


小倉にはあまり来て欲しくはない。温泉で先に出て待っているのでは無いか考えてしまい早く温泉から出てしまう。俺はゆっくりと入りたい派なので温泉は一人で入りたい。


大学の近くでは、スーパー銭湯などの広い温泉は無いが、温泉は小さいけどサウナがあり値段が安い銭湯があるので、疲れを癒したい時によく行っている。


「いひひ〜先輩が嫌だと言われても私は勝手について行きます。むしろ、先輩の嫌がる顔も面白いですし」


「悪質だな、まあ仕方ないか」


仕方なくだが、小倉も温泉に連れて行くことにした。


「一人300円ね」


おばあさんに、300円を払った。

12時くらいの時間帯は、銭湯は貸切状態

マナー違反だが泳ぐ事だって出来る。


「ほら、タオル2枚と石鹸」


「石鹸は要らないですよ〜タオルだけ借りますね」


っと、女湯に入って行った。

小倉は知らないのだろうか?

確かにスーパー銭湯など大きな温泉にはシャンプーやボディソープを置いてあるが、この銭湯には、と言うか、入浴料が安い銭湯は大抵自分で石鹸を用意するのだが....


まあ、入ったら分かるだろう

掛け湯をしてお風呂に入った。


「「ああ〜」」


肩まで浸かり、声を出すつもりは無かったが、つい声が出てしまった。


どうやら小倉もお風呂に浸かり、つい声が出てしまっているようだ。


体を洗うために、タオルに石鹸を押し付け泡出させていると、女湯から声がした。


この銭湯は壁で仕切られているが、上の方は壁はなく女湯にいる小倉の声が聞こえる。


「せ、先輩!?大変です。ここの温泉にシャンプーとかボディソープとかの体が洗う物が無いです!!置き忘れですかね?」


「銭湯はシャンプーなどの体を洗う物は持ち込みだぞ〜」


「先輩、それを早く言ってくださいよ」


「お前が要ら無いと言ったんだから、家に帰ってから体を洗ってこいよ」


「そんな〜先輩の石鹸貸してくださいよ。私ちゃんとキャッチするんで、投げてください。ヘイヘイ〜」


「行くぞ〜」


「いつでもいいですよ〜」


キャッチできるだろうか?っと不安に思いながらとりあえず髪の毛に石鹸を泡立て、小倉が居る女風呂目掛けて投げた。


「いたー先輩痛いです。」


「おーどこに当たったんだ〜」


「あたまです」


「ブ、ハハハ!!」



どうやら石鹸をキャッチする事が出来ず頭に直撃したようだ。キャッチ出来ずに頭に石鹸が当たった姿を想像するとつい笑ってしまった。


「これは、入り口近くにあったコーヒー牛乳を奢って貰わないといけませんね!!」


「おい、それは理不尽ってやつだぞ」


「ふ〜ん」


つい笑てしまい、機嫌を損ねた小倉は俺にコーヒー牛乳を強制的に奢るように言ってきた。理不尽だが、笑ってしまったのも事実、まあ、100円位のコース牛乳奢ってあげよう。


そんな事を考えながら、サウナ→掛け湯→水風呂を休憩を挟みながら2回ほどして整ったて少しした後、お風呂に入り脱衣所で体を拭き服を着替えた後、小倉が待っていないか待合室除いてみると、小倉が不満げな顔をしながら待っているが見えたので、脱衣所にある自販機で自分と小倉のコーヒー牛乳を買って持って行った。


「先輩遅すぎます。長風呂ですか?」


「そうかな、いつもよりかは早めに出たはずなんだけどな?まあ、はいコーヒー牛乳」


「ありがとうございます。」


喉が渇いていたのか、ゴクゴクと飲み干した。


「先輩、そのコーヒー牛乳もください」


「いや、これは俺の....」


「ください」


「はい...」


どうやら、相当待たされた事に腹を立てているのか俺のコーヒー牛乳を取り上げゴクゴクと飲み干した。


「先輩帰りましょう」


「そうだな」


受付の所にある、空き瓶を置く箱に入れ銭湯を出て行った。


「先輩、長風呂すぎます。ふやけてお爺さんになりまづよ?」


「ならない、ならない、それより俺の石鹸は?」


「.....あ」


「まさか、忘れたのか?」


「うっかり、テヘペロ」


そんな訳で、再び銭湯に戻り受付のおばあさんに事情を話し石鹸を取ってきて貰った。

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