第20話 謎に包まれた彼は誰?
ミステリアス。小説なら間違いなく売れそうな話だ。
だけど、どこにでもあるような話でもある。もしかしてこれも夢落ち!?
国語も算数も理科も社会も英語もまるでダメダメの私にはとうてい理解不能だ。
考えれば考える程、余計に頭の中がぐちゃぐちゃに混乱してくる。
だけど、気になりだしたら夜も眠れないくらい目がさえてしまい
私はもう3日寝ていない。何もしなくてもさすがにお腹はすく。
その時、私は生きていることを確認し、取りあえず ご飯を口に
運んでいた。だが、作る気力もなく惣菜を買ってくるかインスタントで
済ませていた。
こんな生活を続けていたらいつか私は死んでしまうかも……。
いったい私は何のために一人暮らしを始めたのだろう……。
自立どころか、ダメダメちゃんになっていくばかりだ。
これじゃ、ダメ人間じゃん。
「よし、仕事見つけなきゃ」
ゴロゴロと寝転がっていた私はその身を起こす。
まずはそこから始めなきゃ、自分を変えることなどできない。
彼が
だって彼はもうこの世代にはいない。
この広い大都会で20
奇跡に等しいだろう。中学の同窓会でもない限り、
難しい。例え同窓会があったとしても
仮に
中学を卒業してから5年間、一度も会ったことがない
仕事をしているのだろう……。
彼は卒業アルバムに載っていた
なぜ、彼が
何者なんだろうか……。
ふと、萌衣の視線がソファーベットのサイドテーブルに向く。
私はサイドテーブルに置きっぱなしになっている【あまのじゃくの恋】の
絵本を手に取った。
〈もしかしたら、この絵本に出てくるハルとユキは
雪子ちゃんのことなんじゃないだろうか…〉
その時、絵本から何か紙切れみたいなものがヒラリと落ちる。
『ん? なんだろう?』
私がその紙切れを手に取ると、それは【藤城コーポレーション社長就任
都内のほぼ全域には藤城コーポレーションが手掛けるビルやマンションを受け持っている。赤字の物件も
IQと経営スキルは抜群に優れた才能が
「すっごい…これって、
〈よし、決めた。明日、ここに面接に行ってみようかな。
母が生きていれば40歳。
だとすると、
いい年の中年男性になっているはず。昔はイケメン御曹司とチヤホヤされ
女の子にモテ盛っていても、年と共にその容姿に乱れが生じ
できていてもしょうがない……。
だけど私は多分、心のどこかで期待していたのかもしれない……
そう…母が好きだった初恋の
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