魔女裁判

第7話 序文

 序文に叙す内容ではないだろうが、作中のキャラクターに代弁させるには気が引けたので、このおおよそ多くの人々が辟易とするであろう思想を駄文に載せようと思う。読み飛ばしてもらっても一向に構わない。

 拙文を認めるにあたり、テーマというか、標題がある。

 

「誰しも経験したことがあるであろう、常識への葛藤」


 もっと格式ばった、ひいては紋切り型な表現に置き換えるのであれば、正義と悪の峻別の問題だろうか。マイノリティとか、うんたら少数者とか、なんだとか、取り沙汰されては声高らかに“もっともらしさ“を放牧する姿は、どこから羨ましく、妬ましく、憧れてしまう。とことん相性の悪い社会とやらはこれをてんで受け入れないが、いつの日か私たちは自由と平等のエデンをその手に掴む日も来るのだろうと思う。

 さて、エデンは魔女を許すだろうか。

 エデンはまだない。だから君に聞く。

 君は、許せるか。人殺しを。大義があれば場合によっては許されるか。

 だったら、心の奥底から催す衝動を抑えられずに殺してしまったならば。

 衝動。君はこれを想像し得るか。

 君が朝昼晩と飯を食うように。

 君が休日に惰眠を貪るように。

 君が夜な夜なひた隠しにする粗相のように。

 小難しいことをそれっぽく言いたいんじゃないんだ。

「ある娘の醜聞を広められたくないばかりに人を殺した猫の話」

「愛の形を血の繋がりでしか判断できなかった父親の話」

「子供を奪い、子供を殺し、愛のためだと宣う母親の話」

 否定するかい?でも、そこにエデンはないじゃないか。


「まぁ、そう言わず、ゆっくりと考えてほしいです。この先の物語は、たぶん、そう言った話ですから」


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 クラスメイト

 

 西田アリス・・・黒猫の主人の魔女。

 山田テレス・・・訳あって名乗っている黒猫の仮の名。

 阿武隈  ・・・学級委員長の女の子。黒縁メガネがチャームポイント。

 五十鈴  ・・・クラス1のギャルでムードメーカーの帰宅部の女の子。

 吹雪   ・・・お調子者で帰宅部の女の子みたいな格好をする男の子。

 暁    ・・・車椅子ユーザーで、交友関係が広い化学部員の女の子。

 金剛   ・・・イギリスから来た黒人の留学生で、化学部員の男の子。

 響    ・・・自称オタクではないオタクな陰キャ化学部員の男の子。

 武蔵   ・・・クラス1のヤンチャ坊主で情に熱い空手部員の男の子。

 大和   ・・・年相応の斜に構えた態度のクールな陸上部員の男の子。

 赤城   ・・・気配りやで、渋い趣味を持っている園芸部員の女の子。

 加賀   ・・・ナルシスト気質で、所作のうるさい園芸部員の男の子。

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