第5話昼休憩
不思議な気分だ。
俺が皆に迷惑をかけている。
それもほとんど名も顔を知らない人達に。
頭の中がグルグルと混乱している。
そもそも何故2階なんだろうか、確かに自分の怪我は重症だ。
しかし頑張れば、3階にだって上がれるだろう。
おそらく教師たちは俺に配慮してくれてるんだろう。
そう今は考える事にした。
そうこうしているうちに休憩が終わり次の授業が始まった。
4時間目 英語
時間ちょうどに教師がやってきた。
見た目は50代くらい。眼鏡をかけており、優しそうな雰囲気を纏っている。
英語教師「Hello‼皆さん初めまして。私の名前は福山永光です。よろしく!」
見た目に反して意外と若い感じだ。
福山「私の授業では、積極的に英語を話してもらいます。そして今は居ませんが後からALTの先生もいますので来た時紹介します!」
ん-英語を積極的にか、正直英語も苦手だ。特に話すとなると恥ずかしい。
ALTの先生は今のところ特に関心はないが。
できれば英語で話すのは他の人に託したい。
福山「それでは、教科書を開いてください。」
60分の授業が終わった。
感想を言うと疲れた。そもそも今日学んだ3教科全て疲れた。
普通に日本語で喋ればいいものたまに英語で喋りだすから正直内容が頭に入ってこなかった。もしかしたら他の人はそうじゃないかもしれないが...
俺は英語の適性、いや勉学の才能はおそらく無いのだろう。
とりあえずこれで、午前の授業は全て終わり。
このまま、昼休憩(60分)に入る。
ロッカーに教科書を置きに行った時、以前階段の上り下りで手伝ってくれた。2人のクラスメイトに話しかけられた。
A「なぁ高橋、昼飯一緒に食わね?」
B「食べよーぜ」
高橋「いいよー食べようぜ!」
やっぱりお前ら誰だよ。
内心思いながら、俺を昼ご飯に誘ってくれる事をありがたく思った。
自分は陰キャかつ内気な性格。
心では色々ツッコんだりするがそれを実際に話したりは絶対にしない。
人と話すときも緊張する。初対面の人には尚更だ。
だから、誘ってくれるのは本当にありがたい。
机の向きを変えて皆でグループになって食べた。
他の生徒も同じような形で食べている。
そういえば、入学して初めて皆とご飯を食べる。
正直緊張する。
一緒に食べるメンバーは俺を含め5人。
一人が提案する。
A「改めて自己紹介しね?俺水沢、よろしく。」
B「いいねぇ、俺大垣よろー」
C「自分今井です」
D「俺佐藤!よろしくー!」
高橋「た、高橋です。よ、よろしく」
水沢「俺ら野球部入るんだけどさ、東も野球部入るんでしょ?」
高橋「う、うん、入るよ」
大垣「だよなー。仲良くしようぜ。」
今井はうなづいており、佐藤は笑いながらご飯を食べている。
なんだろうか、なんとか学校生活を楽しく送れそうな気がした。
しかしこの人達に素の自分を見せられるか、と考えると微妙な気がする。
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