第4話2階の教室

10分休憩が終わり次の授業が始まった。


2時間目 国語

3分程遅れて担当教師がやってきた。

顎に大量の顎髭をを生やしており、見た目は教師というより仙人だ。

確かに国語って感じするけど....

国語教師「はい、皆さん初めまして国語担当の金堂です。よろしく。」

クセ強めなイントネーションで自己紹介をしてきた。

金堂「皆さんには悪いけど私は初日からしっかり授業します。では、教科書3ページを開いてください。」

きっつ。そう心で嘆いた。


長い60分を終え初授業は終わった。

高校生活最初の授業(教科)をした感想はとにかく眠った。

というのも金堂が語り口調で話してくるからだ。本来国語とはそいうものなのかもしれない。しかし、俺にとってはそれは苦痛の対象になりうる。

まさに金堂は仙人だった。

休憩が入り、次の教科書をロッカーに取りに行く。

するとあることに気が付いた。

自分たちの教室は二階。

しかし、隣の教室は3年生の教室なのだ。

近くに居たクラスメイトの女子に話を聞いてみた。

高橋「す、すいません。他の1年生は何処にいるんですか?」

女子「あ!高橋くん!他の1年?居るよ!”3階”に!」

俺は耳を疑った。

他にも詳しく聞きたかったが、休憩時間が終わった。


3時間目 数学

時間ぴったりに担当教師がやってきた。

ドアをガタン!と強く開け、教師が入り深いため息をつくとともに、

数学教師「それでは、始めます。」と一言。

見た目は頭がうっすら禿かけているが、目が鋭い。少し怖い。そんな印象だ。

数学教師「私は、菅原。私はテストで点数取れない人は容赦なく落とします。では教科書開てください。」

授業は、初日という事もあり中学の復習だった。

菅原「ここで躓くようなら高校数学はついてこれないからな」と度々圧をかけてくる。

地獄のような60分が経ち授業は終わった。

うん、とりあえず数学は赤点で補習確定だな。

というのも俺は数学が大の苦手なのだ、なのにこんな厳しい人が数学担当だなんてもう世界の終わり。

まずは、赤点1個確定。


休憩に入った。

そういえば前の休憩時に疑問に思っていたことがあった。

それは、俺たち1年だけが2階に居ること。

普通に考えたらおかしな話だと思う。なにせ、1,2年生は3階に居るのに何故1年の俺たちが3年生と同じ2階いるのか。

その疑問をさっきのクラスメイトに投げかけた。

高橋「ご、ごめん質問いいですか?」

女子「いいよー!」

この人絶対陽キャだ、と思いつつ。

高橋「さっき他の1年は3階に居るって言ってたけどどいうことなんですか?」

女子「そのまんまだよー!って高橋くんは知らないんだっけ?」

高橋「え?」

女子「高橋君怪我してるじゃん、だから特例で私たちは2階になったのー」

高橋「ゑ」

またしても耳を疑った。俺は入学早々皆に迷惑をかけた。きっと皆は他の1年の子と話や交流したいだろうに、自分はそこに大きな壁を作ってしまったのだ。


3階と2階この差は高校生には大きすぎる壁だ。








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