抗ウ

時の戻りが終わるなら

時の進みが止まるなら


きっと 今だってない

きっと 命だってない


灯火の丘の炎が消えないように

水車の小屋 崩れぬように

川のせせらぎの歌を

山のときの声を

その眼で見よ その声で叫べよ


森のさざなみは濃く香り

しおの猛りは薄く触れる


そう 味わうため

そう 涙すため


歪みに絡まる蛇を見たか

矛盾に巻きつく蔓は切れるか

奥歯軋む悲鳴を

拳割れる飛沫を


抗ウなら 死ぬことなかれ


世界に針がないことを知れ

輪が結ばれないことを知れ


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