アンコールグラス
ぼくの代わりにグラスが泣いて
小指を伝う雫はもう
コルクくらいじゃ拭えない
カランとどうしようもなく 笑う
ストローで混ざった透明は
思い出の緑 気泡が歌い
バニラは濁って教えてくれる
向こう側を 隠してくれる
あまい あまい 弱炭酸
ぴりぴりと すこし痛い
ふらふらとゆれる紙幣は
再入場のできないチケット
終わりのベルの 扉をひらく
僕は立ち上がれないでいた
白く濁った思い出を呑み込み
コルクとともに 新緑の
澄んだ思い出をまた呼びさまし
やっぱりグラスは泣いていて
ぱちり ぱちりと透明な
緑を透かすステージに
いない君の歌を聴く
これが最期のアンコール
立って拍手を捧げるために
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