違う干し方

新しい朝がきて

今日から違うアラームの音

朝食の匂いもニュースの声もしなくって

止めた目覚ましの余韻が満たす


点けっぱなしのエアコンに

のどが不平不満を叫び

開けた冷蔵庫の住人が

過疎化の波に凍えていた


自分の家だと思ってた場所も

君のお膳立ての上と知る


窓を開けると飛び込む冷気

まどろむ僕の頬を叩き

からんと落ちるハンガーの音

外の世界の装束は

戦闘不能の僕のようで

拾い上げると疲れがにじむ


きっと君が干したなら

からんと音はしなくって

すいっと風をかわしつつ

踊りながら乾くのだろう


生まれ変わりを願うより

一日だけでも時間を戻して


君の旅路を邪魔しはしない


聞かなきゃいけないがたくさんあって

見るべきだったもたくさんあった


気づけたことを 謝りたくて



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