珈琲もココアも、今はフラミンゴには苦い
風にかえして
目をつむるほどの強い風
わたしの言葉をさらっていって
りんと耳元で鳴る鈴が
もうないことを思い出す
瞳をナミダが洗い流して
まだモザイクがかる滲んだ校庭
足元のつま先ひと揃い
うつむいていた わたしのくつ
さっきまでの足跡が
まだこっちを向いている
ざぁざぁ降りしきる風が
なかったことにしてくれない
砂埃だけ いいかげんなもの
まだ消えるまで 見つめていようか
ひとり佇むわたしのとなり
つむじ風だけ立ちどまり
きこえたはずの鈴の音を
吹雪のようにかき消すの
洗ったはずの瞳が汚れ
黒染みひろがる赤い校庭
つま先の上 向きを重ねる
しゃんと優しい鈴の音が
微かに背中をくすぐって
ごぅと吹き抜けるからかいが
思い出にすることを許さない
鈴の音を 風に帰して
鈴の音を 風に還して
思い出の代償は
夕日にとけて沈むから
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