彼は雨にうたれても燃える蛙

自分という呼び名

俺と呼ぶには強くはなくて

僕と呼ぶほど弱くもなくて

私と呼ぶほど堅くもない


だから自分を指さして

自分って呼んでみて

しっくりきたから続けてる


私はわたくし

その昔

子どもと呼ばれるくらい昔のお話

文字の小島に渡った日


島に住んでた先住民は

みんな大人だったから

自分を守る

呼び名はわたくし


けれどそこは文字の島

わたくしとして交わした文字は

自分の指を綺麗にしたの?

先住民の見た自分はわたし


島の外から来た自分への


期待

好奇

歓迎 ららら


それはとっても温かく

自分は慌てて

よく文字で遊んでた友だちの皮を被った

正真正銘その子は私

敬語を使えばバレない私


だってここは文字の島


私はわたくし

私はわたし

偽りだろうか 偽りたかった?

自分が私でいたかった?


島を離れた日の胸の


安堵

後悔

面倒 あーあ


ロールプレイは創造だけで

大人になれば気づく事

始めたのは自分じゃない

望んだのは自分じゃない

ただし 正さなかったのは自分


時流れ 再び渡る文字の島

自分を自分と呼ぶ自分


俺 僕 私

全てが違う


ただただ毎日 ただの自分

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る