淡雪姫

コートのポケットがやけ大きいのは

ひとりで使うためじゃないから

迎え入れた君の 指先を握る


冷たくてごめんという横顔が

鼻先まで赤い夜の

それは寒さだけなのか

目じりが光ってきれいなのは

聖夜の街灯のせいなのか


僕が好きだった髪色も

お揃いだったピアスも

今日は全部違ってて


1225 カミサマ なにも今日じゃなくたっていいだろ?

すれ違う人々を誤魔化す

そのためのポケットだっていうのかい?

1225 カミサマ 君にどんなお告げをくれたの?

聖夜見つめるその先の

夜明けは一人で迎えるの?



「笑ってたい」と君がいうからさ

「しゃーないね」って笑うしかない僕の

ポケットの中の指が 少し温かくなって


「わがままでゴメン」君の横顔を

うつむかせたくない夜の

それは後悔なのか

「そういうとこが好きなんじゃない?」

街灯の光に頼り笑う


1225 カミサマ なにも今日じゃなくたっていいだろ?

行き交う人々を誤魔化す

だから雪を降らせてくれるのかい?

1225 カミサマ 二人で観た人魚の映画

幸せな結末はフィクションで

僕は泡になればいいんだろう?



なら今夜の君は僕の王子様

なんてね それなら淡雪姫だ

聖夜の雪と消えてしまうから

魔法が解けて二人は一人へ

せめて笑っていられるように

冗談みたいな聖夜のお別れ



1225 カミサマ 何も今日じゃなくたっていいだろ?

すれ違う人々を誤魔化す

そのためのポケットだっていうのかい?

1225 カミサマ どうかあの人に魔法をかけて

望む愛を叶えてよ

溶けたりも泡にもならないから


1225 カミサマ 僕は笑って手を振るからさ

せめてこの夜最後まで

楽しかったと言わせてみせるよ

3210 サヨナラ 魔法が解けたね淡雪姫

せめて最後に手を握り

楽しかったと言わせてください


3210 カミサマ 僕は笑ってサヨナラできたかい?

それぞれ一人になる朝に

花を添えれたらいいのにな

数えらんない サミシイね 無くなってから気づくもんさ

だから笑ってこれからの

一人と一人の幸せを 誓うよ









 

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