金と銀を握る女神に、青年は錆取りを渡して隣に座る

女神と正直者

落とした私が悪いけど

早く仕事に戻りたい


両手にそれぞれ金と銀

あなたが投げるその問いは

私にはよく分からない

水面はこんなに澄んでいて

私のオンボロどこいった?


差し出されたるは金と銀

あなたがたたえるその答え

私にとって当たり前

三つ合わせてくれたけど

道具はこんなに要りません


正直だからと言われても

私はそれが当たり前


あなたがくれると言うならば

私は布をあげましょう

三つあっても使えない

あなたの両手をお借りして

私を助けてくださいな


かしげられたるその首の

枝垂しだれる髪は美しく

さびに汚れた私には

もったいなくも見えるもの

汚して覚えてくださいな


冒涜なんて言われても

あなたがみたる人の子です


全知全能それならば

猫の手よりもお手のもの


錆で頬が塗られても

はにかむだけで美しい

私が保証いたしましょう



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