アマノイワト

おじゃまします


ふたをノックしてみても

返事はなくて

開けてみるにも取っ手がない

じっと待ってみると コポン

重たい それは重たい音

油かな

そこで ノックしたところが

ふたじゃないのかもと疑うことにした


顔を見せてよ


窓を探してみても

黒い壁ばかりで

砕いてやろうにもトンカチはない

ため息が思わず ハァ

うっすらと くもったように見えた黒

重油かな

そこで この壁ぜんぶが

窓なんだと疑うことにした


目をらすとやっぱり壁は透明で

黒いのは中身だと知った

壁には小さなスリ傷

たまに揺れる液体に

君が中に居ることを確認する

涙かな

どれくらいここに居たのだろう

僕の影よりも黒い


祭りを催す仲間もいないので

てのひらで そっとあたためることにした

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