第5話 ヨンパルの不在

 ヨンパルの不在を知ったドンヨブ、スク、サヨンは戸惑った。しかし、ヨンチルからヨンパルの渡日について話しを聞く事ができ、不必要な心配はしなかった。だが、ドンヨブは何故息子がそのような決断を下したのか到底理解できなかった。ヨンパルにはこれから良い将来が待っていたのに。なんの理由も無しにこんな事をするはずはないので、ドンヨブはしばらくの間、彼の消息を知るまで待つ事にした。ヨンパルの職場でも彼の不在に戸惑いを隠せなかった。しかし、誰もヨンパルを悪く言わなかった。きっと、何か理由があるはずであるとみんなそう思ったのである。今までのヨンパルの行動は他人に簡単に彼を評価する事を許諾しないほど、厳かで神聖なものであった。しかし、スクとサヨンはヨンパルを憎むことは出来なかったけれど、天が崩れ落ちるような落胆と悲しみをしばらくは耐えなくてはならなかった。

 一方、ヨンパルは東京に住んでいる知人を訪ねて行った。その知人は彼の中学時代の先生で東京の中野に移住していた。

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