第4話 ヨンパルの苦悩

 ヨンパルの聡明さでも、心の奥底に潜み言葉では言い表せない苦痛を与えるものが何か分かる事はできなかった。ある日ヨンパルはヨンチルを自分の部屋に呼んだ。そして、簡潔に自分は今から渡日する事を伝えた。ヨンチルを呼んだのは父と母、サヨンが自分の急な不在について心配しないようにする為であった。ヨンチルは到底兄の言葉が理解できなかった。目に溢れてくる涙をこらえる事ができなかったし、その理由について聞いても何も語ってくれない兄者が憎かった。しかし、ヨンチルは兄者の言葉を受け入れる事以外何もできなかった。ヨンパルは弟はまだ幼いけれど、誠実さがあるので家門(ガムン)後事を任せても問題ないと思った。ある日のまだ日も出ていない早朝、ヨンパルは100円だけを所持して誰にも告げず、家を出た。

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