第25話 闇の目
カルロがリョウガを見張っているのはこずえが目的だ、県警から情報を盗めない今は自力で探さなければ成らない、横浜マーケット再建の最初の仕事をこずえ殺害に決めたのは校長の弔の為だ…
実際に校長を死なせたのはカルロだが、自分なりに校長を慕っていたカルロは死なせる原因を作ったこずえを恨んでいた。
フィリピンと日本のハーフのカルロは比較的日本人寄りの顔だ、彫りが深くいわゆる濃い顔だが肌色が日本人に近いので地味な格好でいれば張り込みをしていても目立つ事はない。
カルロの張り込みは小型カメラを歩行者用の信号に業者を装い取り付け近くのマンションを1部屋借りて見張っているのでリョウガを護衛している刑事に気付かれる事も無かった、今日はリョウガが警察官採用試験に出掛けたので尾行していてその流れで少し張り込んでいた。
同時刻 新宿
坂下あきら殺害事件が幕を閉じると、こずえは新大久保に引っ越し歌舞伎町のコスメショップで働いていた…
歌舞伎町に蔓延するドラッグから組織の追跡をするつもりだ。
すれ違うこずえとカルロだが、やがてリョウガを起点に繋がる事になる。
jk
「ヤッホー、お姉さん」
こずえ
「あっ、いらっしゃい」
jk
「例の、後でLINEに連絡先送るから」
こずえ
「ありがとう、じゃぁ約束のポイントカード」
ドラッグやパパ活で遊んでるjkを手なずけたこずえは売人の連絡先を店のポイントカードと交換しようと持ち掛けていた。
コスメショップの仕事が終わると家に帰り出会い系サイトで男と待ち合わせる…
するとコスメショップでjkに貰った売人の連絡先にメールをしてまた待ち合わせをした、売人には30代でグレーのスーツにノーネクタイと伝えるが、これは先に待ち合わせた出会い系サイトの男の特徴だ。
こずえは例によってリバーシブルのジャンパーを黒で着て黒のパンツを履きグレーのニット帽に髪を綺麗に隠して女か男か良く分からない格好で出掛けた。
待ち合わせ場所はホテル街に入る手前のコインパーキングだが、こずえはパーキング近くの物陰から様子を伺う…
すでに男は来ていた、出会い系で待ち合わせ場所がホテル街の近くとなれば金銭の要求は有るかも知れないが行為事態は確実と男は胸を躍らせている。
待ち合わせの時間を10分程すぎた頃に売人らしき男が現れた…売人は男の側で指を二本立てた、二万円と言う事だが当然男には通じない男は目を逸らしスマホをいじり出す、売人が何か話すと男は首を振り怖くなったのか逃げるように立ち去ってしまった…
売人はイタズラだと悟ったようであたりを苛立った表情で見回すと不機嫌そうな顔のままパーキングを立ち去る。
こずえは売人が目立つヤンキールックなのと初見の客に直ぐ顔を見せる事で組織のメンバーじゃないと悟るがドラッグを組織から買っている可能性を考え尾行して自宅を突き止めるてから帰宅した。
組織の特定が、はかどらないまま何日か過ぎた休日に警察の動きをネット検索していると警察官採用試験の合格者にリョウガの名前を見付けた…
こずえは坂下やリョウガと知り合う前から採用試験の合格者をチェックしている万が一知り合いがいたら利用出来ると考えての事なのでそこにリョウガの名前を見た時驚いたがその顔は次第に怪しく微笑んだ。
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