第7話―松平広忠―

まゆの中で安寧な日々そこで二年が経つ。

竹千代として新しく生まれ変われたボクは電気やスマホのない世界でも遊びを見つけては楽しんで暮らせてきた。

けれど深刻な顔をする父親と向かいあう屋敷内。


「竹千代よく聞くんだ……。人質として送らないといけなくなったのだ。お家を存続するために」


「つまりボクは人質として送るのか」


「ああ、そうだ。大仕事になるだろうが、やれるか竹千代?」


とうとう来たか。

いずれ親元から引き離された生活を過ごす。こうなることを直前にクレマチスが教えてくれた。

どうも尾張の虎と恐れる織田信秀がまたも岡崎城を狙いを定めたようだ。


(令和では織田信長の父親はマイナー武将でボクは知りもしなかったがこんなに攻勢してくるか)


「これは重たい空気が流れてきたね。どうも」


地に降りてきた妖精のナビゲーターは関わりのない事のように横になり足を組んで宙に浮いて呟く。


「むっ、どうした竹千代?刺客でもいたか」


「いえ何でもありません」


「晴人くん私は悪魔でナビゲーター。

道を示すけど、それ以上に関わろうとしない。

勇猛果敢さと知勇に長けた織田信秀は一大で尾張を領土を広げて織田家の繁栄を築かせた」


白髪の妖精クレマチスのセリフは耳から入っては別の耳に素通りしていく。

攻める大軍に対抗しようと動き出した松平広忠はこの劣勢でも諦めず挑む。

多勢に無勢なため今川家に援軍を出してもらいたいと要請。足りない戦力をどうにか救援の旨をなんとか引き受けるものの見返りとして人質を出さないといけない。

それが徳川家康こと竹千代だ。


「……やれるかな」


「竹千代……これだけは従ってもらうぞ。

すまない、けど上に立つからには役目を放棄は許されないんだ」


叱ってはいるものの語調はとても弱々しく縋るような想いが伝わる。申し訳ないがボクは本当の息子ではないんだ松平広忠。


「転機が転んだ。

六歳になったキミに最初の試練。

ここからは田中晴人として新しい物語の開幕。

頑張らないとならないけど安心して。私が付いているから、全力でサポートやるからね。

一緒に時代の波が押し寄せる壁を越えよう!」


そうクレマチスが奮い立たせようと言葉を送る。

平穏な日々から一転して苦難の日々が迎える。

耐えれるか過酷な人生。人質になるんだぞ。

緊張で手が震えてくる。

もう既にボクの精神は二十歳に迎えている。

身体は六歳であっても下された命令にボクは頷いて応える。決心がついたことで松平広忠は安堵と諦念のどちらとも取れる嘆息を吐いた。


「はぁー、誠に申し訳ない。

なんとか抵抗をしたものの敵は屈強でしたたか。

気を引き締めて挑んだが織田勢は権謀術数で果敢に無惨に散るだけしか無かった。父上とは比べて情けない。信用するために人質を送らないとならなくなった運びの条件でしか出来なかった」


あってはならない事だと松平広忠は自分自身をどんなにも責めても自責の念は消えることはないと嘆かれていた。

その事になんとか励まさないと駆られた。


「そんなことありません。父上は立派に……えっ?織田家に負けたって、それでは人質は」


手を膝に着けて立ち上がろうとしたボクはその場で停止した。

えっ、どういう事だ。

聞いた話とはなんか知っているのも違うぞ!

少し前ナビゲーターが自信満々に言っていたが当初は今川家に人質に出さられると決まったと。

それが織田勢の攻勢に耐えられずに人質を差し出さないとならないから送る。


「然り、このミカワを離れることになる。

妻と離縁してまで戦う道を選んだが、まだ諦めてはいない。いつか再起を図るつもりだ。

清康きよやすの後継者として弱気にはなれん」


「知っている知識と違う。これって……史実なのか。それともオリジナル展開になっている?」


動揺しながらクレマチスを一瞥すると信じられないと困惑していた。

ボクの視線に感じたのか呆然となっていた彼女は深呼吸を繰り返している。


「聞かされた話しでは史実に似て非なる世界。時代の流れだけは史実に基づかれているのに」


「時代の流れだけ……か。

クレマチスが言ったんじゃないか。

今いる世界のここはボクがいる。いや、ボクがいた令和の世界と同じ史実の跡に続くが異なると」


「うん。もうこなればシークレット情報も曝け出すけどね。

ここは構築された世界なの。

資料が足りないか信憑性のないのはオリジナル展開になるんだけど」


まだ魂消たまげた情報をここで明かされてしまい俺は頭が情報が追いつかずパンクしそうだった。

イタズラに混乱させるのかと行動を吟味したがそうでは無いようだ。

しかし秘密を抱えるのも落ち着かずクレマチスはいっそうのこと語った様子から嘘はついていない見てよさそうだろう。


「待ってクレマチス。

軽々しく吐いたが、そんなこと言っていいのかッ!?それ世界を開闢する神界の機密情報に」


「そんな心配しなくて大丈夫だよ。

人同士の争いの件には包み隠さず開示しろと告げられているから新情報でも上司に確認しなくてもいいからね。

世界を構築させる御業は貴方の先祖が発見して記録されているからね」


「とんでもない先祖がいたものだな。

それがボクの生前の先祖なのか人類全体の意味かは、さて置いて人質が違っているんだけど」


脱線してしまったが尋ねたいのは人質に出される勢力が違ってくる。


「違うというか……人質になるのは今川家で、

移送中に織田家に連れ去れてしまうの」


「そうなのか」


「そうそう織田家に敗れて送られる。

けれど忘れないでね。最後に勝つのは徳川家康」


心強い言葉を送るのではなくウインクして可愛いさで気力を上げようとするクレマチス。


「そんな慰められても」


「竹千代よ。いったい誰と話をしているのだ」


「ひ、独り言です父上!アッハハハ」


下手な誤魔化し方だと汗を流していると松平広忠は神妙な顔をより刻む。


「ならよい。竹千代よ……強く生きるんだぞ」


「父上……」


ややあって今川家の人質として決定したのでは無かった。ボクは織田家の人質として出される事となり進んでいた。

隣が静かになっているなあと怪訝に思いクレマチスの顔を横目を向けた。

するとナビゲーターもこの決定事案に目を白黒となっていた様子。

徳川家康に関しては無知に等しく知らない。

クレマチスは道を迷わないため教え導かせる役目を請け負ってもらうのだが事実と違ったことや明かさない情報も含めてボクはどうしても腹に据えかねていた。

あらゆることに信用するに足りず警戒心をより固め咎める非難の眼差しを向ける。

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