第7話 Divine Summit――神々の会談――

「というわけで、鋼壁騎士団は哀れ破壊神によって蹂躙され。都市『デュエッロ』の支配権は破壊神のものとなりました。それにともない約定の通りデュエッロを中心5キロメートルが破壊神の支配領域となりましたことをここにお伝えいたします」


 白の執事服にアルカイックスマイルの面をつけた人物、いや人なのかはともかく、その人物を見下ろすように高い柱の上の玉座に座るに報告をし慇懃にお辞儀をする。その仕草一つ一つ、呼吸音すらも芝居かかったその人物に対して、全員が不快感を漏らしていた。いや、その人物にではなく、その報告内容に不快感を表さない者などいるはずがなかった。


「おのれ、某の領域で暴れるどころか、領域を奪うとは……」


 剣と盾の紋章が施された玉座に座る甲冑の青年が憎々し気に拳を振り下ろし、ガンと鈍い音がたつ。

 その様子を眺める王冠を斜めにかぶり、玉座にふてぶてしく座り槍をもった少年が口を開く。


「ふむ、しかし、ルーラーよ。神が『サクリヴィア』への直接の介入は、禁止ではなかったか?」


 アルカイックスマイルの面をつけた人物に確認をとる。


「はい。軍神『スーオン』さま。確かに直接の介入は禁止にございます。ですが、今回は使徒の能力ですので問題はございません」

「ちっ、面倒なことになった……おい、裁神。ルーラーの判断に誤りはないであろうな」


 天秤のような玉座に座る目をつむった均整のとれた美人へと声をかける。


「解。神聖魔法『コールゴッド』などで神は召喚可能であり、その際の力の行使は、認められている。決。判定に問題なし。見事な審判と称賛」

「ありがとさうごさいます。裁神『ヨシュディン』さまにお褒めいただけるとは、望外の喜び」


 シルクハットを脱ぎ深々とお辞儀をして魅せる。


「さて、皆様にとっては不愉快極まりない事だとは承知しておりますが、これも余興と思い愉しんでいただけます、ご提案をさせていただきます」


 クルクルとどこからか取り出したステッキを振り回し、軽くタップダンスを披露すると踵を小気味良くならしそろえる。


「まずは、破壊神『フルゥウス』様の使徒『花月マキ』を倒しました使徒さまには虹色の『パンドラボックス』を贈呈させていただきます」


 全ての神々が動揺し


「ガハハハハ、それは真かぁぁぁぁぁぁぁ」


 上半身裸の獅子のような顔の大男が大声で立ち上がった。


「はい。獣神『ストライガー』さま。真にございます」

「ユニーク級の神器が手に入るパンドラボックスが景品とは剛毅ではないか」

「いえいえ、そちらはあくまでも副賞にございます。本命は『破壊神の神格』こちらが本命となります」


 その言葉に全員が垂涎の表情を浮かべる。


「此度の創神の塔への挑戦権を得るための前哨戦は『ウォーゲーム』に変更させていただきます。戦力は自由。奪った領地はその方の物となります」


 声高らかに宣言すると、再びお辞儀をすると姿を影へと沈め姿を消すと、神々もその姿を隠すと自分の神域へと戻っていった。

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