第22話 三羽のキジバトと三羽のスズメ
どうやら、我が家には三羽のキジバトが居着いているようです。
以前の話で、一羽のキジバトが梨畑に入ったという話を書きましたが、今度は二羽のキジバトが梨畑に入ってバタバタしておりました。
このキジバトも、ネットの隅を開けてなんとか逃がしてあげました。
やっぱり慣れているようで、追いかけていってもあまり逃げようはとしないので、ゆっくり驚かさないように隅まで追い詰めて逃がしました。
まさか、この二羽のうちの一羽が、先日入ったキジバトだとは思えませんでした。二度も同じ失敗をするなんて、ちょっとあきれてしまいますから。
さて その後の、暖かい晴れの日の朝の事です。
二羽の キジバトが我が家の電線に止まって、仲むつまじくしていました。どうやら、この間、梨畑に入った二羽のようでした。
そこに、もう一羽のキジバトが飛んできました。
そして、二羽のキジバトに、近づいて行きました。しかしそれを嫌ってか、二羽のキジバトは飛んでいってしまいました。
同じようなシーンを、妻も見ていたことがあるようで
「今日、キジバトが二羽いたんだけど。そこに一羽のキジバトが来たんだよね。でも、そばに寄って行ったら、残念ながら逃げられちゃったよ」
と言っていました。
全く同じシーンだったのでちょっと驚きました。どうやら、私が見た光景は、よくあることのようでした。
というわけで、我が家には三羽のキジバトが居着いているようです。
追いかけてもあまり逃げませんから、暮らしている感じです。
でも傍から見ていると 一羽の キジバトが、なんか可哀想に思えてきます。
この一羽にもお相手ができればいいなと思っています。
それにしてもキジバトというのは、慣れているというか、危険を感じないというか。これで三羽全部が梨畑に入ったかと思うと、あきれてしまう出来事でした 。
さて、その次の日の朝のこと
三羽のスズメが、屋根の上で戯れていました。どうやら、二羽はつがいのようでした。
キジバト同様スズメも屋根の上を、あっちに行ったりこっちに行ったり、飛び上がったり、電線に移ったりと、とても忙しく動いていました。キジバトよりも三羽は仲が良いようですが、それでもつがいと、もう一羽は、少し距離感があるようでした。
やっぱり、残り一羽にもパートナーが見つかってくれればいいけれどな。と思って見ていました。
どうやら春は、鳥たちの恋の季節のようで、つがいになれない鳥たちにとっては、いてもたってもいられない心が湧きたってくるのでしょうか。
人間だったら、失恋したら即あきらめるのでしょうが、生存競争の激しい自然界では、隙あらばとチャンスを狙って、何度でもチャレンジしているのかもしれません。
三月になりました。残された一羽のハトやスズメのように、眠る心の季節からチェンジして、芽生える心の季節になったような気がします。
さあ、花粉症でも外に出て、今日も作業をがんばろう。ちょっと元気になった朝でした。
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