第6話 チョウゲンボウ?
小型のタカが空を飛ぶようになった。
カラスと同じくらいの大きさで、チョウゲンボウじゃないかと勝手に思っていたのだけれど、ググってみたら、色がどうも違うようで、何という名前かは正直よくわからない。
きちんと調べたくて、一眼レフカメラが欲しくなったが、退職しちゃったし、いまさら高額の物は買えないなあ。バードスコープも欲しいと思っていたけれど、最近、バードスコープが温泉の覗き事件に使われたみたいで、用途を疑われそうで、買うのもなんかヤバそうだと思った。
タカがいてくれたら、荒れ果てた休耕田に住んでいるような、野鼠などが退治されていいなあと、最初は本気で思っていたのだけれど。
昨年の暮れに驚くことが起きた。
珍しく、我が家の屋根にたくさんのスズメがやってきて、チュンチュンと楽しそうにひなたぼっこをしていた様子を、僕はのんびり見ていた。
その時だった、音もなく飛んできたタカが、スズメの群れに飛びかかった。
本当にびっくりした。
確かに珍しいタカも好きだけど、かわいいしぐさのスズメには、これまでずっと癒されてきたのだ。
いやああ。これが自然だとはいえ、辛いものだ。
それからというもの、我が家には、ほとんどスズメが来なくなった。たまに、声がする事があるくらいだ。
ウオーキングをしながら、近所を歩いてみると、いままでたくさん見かけたスズメがいなくなっているのに気付いた。あちこちの屋根に、すごくたくさんいたスズメがぱっといなくなるなんて事は想像していなかった。
田んぼに群れでいるスズメを見かけた時は、嬉しかった。群れでいることで、身を守っているように思えた。
最近タカを見つけたのは、100mくらい先にある高いヒノキのてっぺんにとまる所だった。
つい先日は、そこからとんできたであろうタカが、我が家の屋根をかすめて飛び去って行く所を見た。
この目でタカを見れたのはうれしいのだが、スズメがいなくなるのは、ちょっと悲しい気がする。
自然は厳しいものである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます