第3話 お兄ちゃんと四人目

この場所というか。

学校が地獄すぎる気がする。

俺が.....顔出しの動画配信者だった為に.....あまりに大変な事になっている。

ボッチなのに.....ボッチなのに!

俺はそう考えながら逃げる様に学校を後にした。


「このままでは.....マジに何かが.....いかん」


四季さんが、あ!佐藤くん待って!、と言っていたが。

無視してそのままスルーで帰って来た.....すると。

目の前に見慣れた顔があった。

それは.....義妹の四葉(よつば)。

俺が最も相手にしたく無い相手だった。


中学生ながらも相当な凛とした顔の大人びた美少女。

だけどそれだから俺が苦手なのだ。

そういう.....厳しそうなのが、だ。

思いながら俺はまた胃痛を感じながらおずおずと、どうした四葉、と聞いてみる。


「鍵を持ってないの」


「.....あ、ああ。そうか。.....それで家の中に入れないのか」


「そう。.....早く開けて。お兄ちゃん」


「.....そうか.....は?」


今何つった。

俺は瞬間凍結の様に固まる。

お兄ちゃん.....?つったか俺に対して!?

まともに俺なんかゴミクズとしか見てない様な目をしていてか!?

初めて呼ばれたわ!!!!!


「お兄ちゃん。どうしたの」


「.....四葉。何でいきなり俺をお兄ちゃん呼ばわりしている」


「.....何か疑問でも?」


「.....疑問はかなりいっぱいある。.....いきなりじゃないかその呼び方」


「貴方は兄貴であってお兄ちゃんです。.....何か問題でも?」


無いけど.....というかその視線やめてほしい。

あまりに痛いのだ俺には。

考えながらドアを開けてそれから家の中に入る。

それから電気を点けたりした。


すると四葉が、お兄ちゃん、と声を掛けてくる。

あの.....何かいきなり兄貴呼ばわりはかなりキツいんだが。

思いながら背後を見る。

ガタガタな感じで振り返る。


「.....な、何でしょう?」


「.....貴方は女運に恵まれた?」


「.....は?」


「.....恵まれてない?.....あ、そう」


いきなり何を言い出すんだコイツは。

俺はゾッとしながら四葉を見る。

四葉の耳がかなり赤くなっているのに気が付いた。

何.....?、と思いながらその姿は結局そのまま見送る事をした.....。

一体何だろうか。



「はぁ.....」


風呂に入った。

何というか散々な1日だったな.....。

今は夕方の6時ぐらいかな。


上がったら何をしようかな.....動画でも見るか。

何というかドガドガ動画を。

面白いしな。


「.....ふう」


ガラッ


「.....?.....???!?!!?!!」


いきなり.....風呂のドアが開いた。

そしてそこに.....水着を着た四葉が.....立っている.....。

羞恥で顔が真っ赤の様な。


スク水の.....。

何.....何!!!!?は!!!!?

一体何が起こっている!?


「お兄.....ちゃん」


「な、何かしら?」


「.....背中擦るから」


「いきなりなんだべさ!?」


そんな単語が口から飛び出す。

ヤバいぞ訛ったぞ!

あり得なさすぎるんだが。

何がどうなっている。


今までこんな事あり得なかった。

ましてや粗大ゴミぐらいのレベルで俺を扱っている。

なのでこれは天地がひっくり返っている。


「嘘だ.....お前いきなりなん.....」


「早くして。座って。恥ずかしい」


「.....いや.....!?恥ずかしいって俺も下半身が剥き出しなんだけど.....」


「そ、そんなの!?タオル巻けば良いでしょ!早く!」


「は、はい!?」


取り出した新鮮なタオルが飛んでくる。

顔にぶち当たった。

俺は早急に準備をする。


そして胸がボヨンボヨンしている様な義妹の側に座る。

マジに何事これ?

終わるのか地球?.....マジに?


「.....」


「.....」


無言で背中を擦り出す四葉。

マジに何がどうなっているのだこれ?

明らかにおかしい。


何か.....何かがおかしい。

おかしすぎる。

まるで.....地球が終わるレベルでおかしい。


「四葉。何がどうなっている。俺は何かお前にこの分の対価を支払わなければならないのか。せしめるのか?殺されるのか?」


「は?違、違う.....」


「.....じゃあ何事.....」


「.....私は.....その.....その.....」


言い淀む四葉。

俺は???を浮かべながら背後を見る。

四葉は羞恥以外何も無い顔をしていて俺を見上げてきた。


その潤んだ瞳で、だ。

何これ?俺コイツに何かしたっけ?

やっぱり殺されるの?


「.....お兄ちゃん」


「.....は、はい?」


「私は貴方が好きって言ったらどうなるかな。兄妹を超えて」


「.....」


キョウダイヲコエテスキニナル?

うーむ。

やっぱり俺は夢でも見ている様だ。

コレはアカン。


とっとと目を覚まさないと、と思い俺は頬を抓る。

しかし目は覚めない。

湯煙しか見えない。

.....え?じゃあこれってマジなの?


「.....私は動画配信を観ていた。.....貴方が楽しそうで.....心から格好良かった」


「.....お前.....まさかと思うけど.....」


「動画のフォロワー.....」


「.....」


5人のうちの1人?

どうも俺は死ぬらしいな今日で.....。

ナニコレ?俺は何で今.....こんな目に遭っているの?

意味が全く分からないよ?

すると四葉が俺を抱きしめてく.....は!?


「待て四葉!何を考えている!?」


「わ、私の事.....メロメロにしてあげる」


「逆だ!?.....ってかその前に兄妹だからな俺達!?」


「そんなの超えるって言ったよね」


「まあ確かに聞いたけど!しかしお前!今は駄目だろ!?」


何でそんなに好きになるのよ!?

アイツらといい!頭おかしいぞ.....!?

どうなっているのだ!


ぎ、義妹の.....胸が上半身に当たる。

そして俺の下半身がヤバい。

助けてぇ!!!!?

俺はまだボッチで居たいし!

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