被害者、現る。

「どうやって解決する?」

「……ね。どうしよう。」 


✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


とりあえず学校に戻って捜索することにした私達は、現在空き教室で話し合っている。すると、


ガラッ。


その時、扉が開いた。

誰だろう?

―――――――と思った瞬間だった。

そこには、一人、女の子がいた。

女のコが立っていた

女のコがやってきた。

女のコが入ってきた。

女のコがそこにいた。

女のコが私を見て――――――

「あ――――。」

と言った。

「ん?ミカのこと?」

そう言って、アリスが私の方を向く。

「え!?花咲 美華ちゃん……?」

「はい!?」

「やっぱり!あの超有名な!」

「へ?」

「三大美少女の一人の花咲 美華ちゃん!」

「えっと、その、はい。」

「すごい――!本物だ!あ、ごめん!あたし、佐々木 水音です!よろしくお願いします!」

ペコッ 深々と頭を下げた。

お辞儀って言うのかしら、これ。

ていうか、なんか、有名人扱いされてるんですけど! やばい、これはこれで、嬉しいかも!

てか、佐々木さん?体育着 窃盗被害の被害者の佐々木さんじゃないか。

でも、なんでここにいるんだろ。

「佐々木さん?」

「は、はひぃ!?」

はひぃって、初めて聞いた。まあ、国宝級の私に会えたんだから、あたりまえか。

それはそうと、

「どうして、ここに?」

「あ、え、えと、それはですね……。」

「?」

「私、体育着を盗まれたんです。そのあと、学校中をさがしていたんです……。」

「……そうしたら、ここで声が聞こえたので、入っちゃたんですよ。」

「なるほどね。」

「それで、今は何の話をしていたの?」

あれ?なんで、急に敬語じゃなくなったんだろ。

まあいいか。

てか、聞かれたかぁー。

アリスを見ると少し困っているようだったので、私が代わりに答えた。


「実は、盗難事件の犯人について話してたところなの。」

「そうなんだ。犯人の目星がついたの?」

「全然、つかないわ。」

「う~ん、そうだよね……。」

「犯人はきっと強志だ。あいつしかあり得ねぇ。」

「なんで?」

私が聞くと彼はこう答えた。

「あいつが、一番怪しいからだ。」

「証拠は?」

「ない。」

「ふぅ、しょうがない。に聞いてみるか。」

と言って立ち上がろうとした時だ。

「待ってください!」

彼女が言った。

「なんですか?」

「彼にはアリバイがあるでしょう?」

「だからって俺じゃない…。」

彼女は首を横にふる。

そして――

―――決定的な一言を放ったのだ―――

「田辺くんにはアリバイはないの。だから犯人は田辺くんでしょ?」

「違う!!俺はやってねーよ!!!」

「おい、こいつなんとかしてくれよ。お前らならできるだろ。」

「え〜!?」

アリス!?あんた部長でしょう?仕方ない、私が聞くか…

「田辺くんはどうして強志が犯人だと思うの?」

「………………あいつ、俺のこと嫌ってるから、俺を落としめるためにやったんだよ」

それだけで決めつけるのはなぁ~。

何か証拠があればなぁ~。

「ねぇ、ミカ?どう思う?」

「うーん、そうね……。」

「やっぱり、強志しかいないよな?なぁ、お前からも言ってくれよ!俺はやってないって!」

「でも、証拠がないんじゃ……。」

「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!このままじゃ俺が犯人にされる!」

「「「……。」」」

「証拠をつかみゃいいんだろ!?簡単だぁ!」

「え、ちょ、ちょっと!」

「どこ行くの!?」

「決まってんだろ!強志を問いつめんだよ!」

「ちょっ!待って!」

「待ちなさい!」

「どうせ、田辺くんが犯人なんだから!ミオンに体育着返してよっ!?」

「「佐々木さん!?」」


ガラララッ…………ピシャリ。


扉が閉まる音がしたと同時に二人の足音がきこえてきた。

おそらく廊下にいるだろう二人のうち一人の声が大きく響いた。

「ふざけんなぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

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