冤罪ですか?

「クラスの佐々木の体育着が盗まれたんだ。」

「「へ?」」


 ✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


「佐々木って―――水音ミオンちゃん?」

「あぁ…。」

というか、体育着泥棒って現実にいるもんなんだね。アニメや漫画の世界だけだと思ってた。けど、1つ疑問がある

「でも、佐々木さんの体育着が盗まれたこととあんた、じゃなくて――――田辺くんに何が関係あるんですか?」

ふう、バレてない…。

「それが、おおありなんだ…。俺が、体育着泥棒の犯人に

ということは――――

「―――と言いますと、田辺くんは、真犯人を見つけ出してほしいって、ことかね?」

なんで、ホームズ口調ナノよ。というか、ホームズ口調って何よ?

「あぁ…。」

いや、ツッコめよ。できることならツッコミたいんだけど、私のキャラじゃないし……仕方ない。このまま話を進めるか。えーと――

「他に、犯人らしき人はいますか?」

「容疑者候補として名前が上がったのは、田辺強志つよし毛部もうべ間宮まみや水月みずきの5人だ。」

「他の人はどうなの?」

「他の奴らはプールだ。」

へ?どゆこと?

「プール……?ドユコト?」

うわぁ、アリスと同じこと考えてるじゃん。

「放課後、参加任意のレクリエーションで学校のプールをかりたんだ。」

ふむふむふむ。

「では、容疑者候補だちのアリバイはなんですか?」

「強志と間宮と水月は3人で勉強会だ。毛部は塾」

「田辺くんのアリバイはなんですか?」

「ない――――家でゲームしてた。」

え!?

「嘘ぉ!?」

アリスが代弁した。

「ホントだ。しかも、その日の翌日――つまり、今日が日直だからな…。疑われるのも仕方ない。」

なるほど。うちの学校には、特殊なルールがある。翌日日直の人が、教室の戸締まりをして、鍵を家に持ち帰る。そして、当日に朝1番に登校しなくてはいけないという、謎ルールだ。なぜかそんな変なルールができたかというと、前の校長先生が職員室の鍵を全て盗んで、全校生徒の椅子にグルーガンで画鋲をくっつけたからだ。まぁ、あくまでも都市伝説だけどね。

「ってことは、田辺くん以外、みんなアリバイがあるっていうことじゃん!?」

「あぁ…。」

「どうするの?」

「どうするもなにも…。施しようがねぇんだ。」

「へぇ、たいへんねぇ〜。」

「何が『大変ねぇ〜』だよ!!思ってもないくせに!!他人事ひとごと見てぇに!―――」

うそ、やば!?口に出てた!?どうしよう!こうなったら、いっそ―――

「―――何よ!他人事なんだから!あたりまえでしょう!」

「……っ!?」

驚いたみたいね。まぁ、当たり前か、『才色兼備』『文武両道』の、にこんなこと言われるなんて、おもいもしなかったでしょうし。

「まぁ、まぁ、落ち着こいていいの?

落ち着いてるわ!なにが?

ミカ……本性(?)バレちゃって…。」

「もういいわ…。」

「でも……。」

もう、決心をきめたわ!本心で語り合えないと探偵なんてつとまらない!

「いいの。よく聞きなさい!私は、あんたの思うような人じゃない。確かに、『才色兼備』で『文武両道』の完璧超人パーフェクトヒューマンだけど…。一つだけ、欠けてるのよ……。」

「……?何が?」

「心―――親切心よ。親切心の代わりに、自尊心なら入ってるけど…。」

「………。」

「………。」

「まぁ、それでも自分が大好きっていう気持ちは変わらないけどね。」

いまさらだけど、なんでこんなこと話しちゃったんだろう。

ともかく―――。

「事件、解決するわよぉーー!!!」

「うん、ミカが、やる、気に……。おおおぉぉぉぉーーー!!!」

「まて。だがな、田辺以外はみんなアリバイがあるんだぞ……?」

「………あ。」

「あ……そっか。」

「どうやって解決する?」

「……ね。どうしよう。」

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