金持ちめ……

「家が部室なんて、聞いてないわよーーー!」


 ✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


「そりゃ、ひっへはひほんへ言ってないもんね

「『言ってないもんね』じゃなくて――――何食べてんの?」

ふっひークッキー

「私も食べるー!」


 ✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


このクッキー!美味しい!濃厚な甘みにサクッとした食感!香ばしい香り!もう、最高すぎでしょ!!

そして、このクッキーは―――――

「―――ミカ、ミカっ!」

「あ、ごめんごめん」

「クッキー美味しいよね!」

「あ、うん……?」

「実は……シャトランテのクッキーなの〜!ようやく届いたんだ♪」

「えー!シャトランテのクッキーだったの!?どうりで―――!!!」

もぅ、シャトランテ神すぎる!控えめに言って神!

『ニュースのお時間です。昨日、△△中学校の小鳥遊おどりゆ しょうさんが亡くなりました。死因は―――――』

「怖っ!やばくない?ミカ?」

アリスが悲鳴に近い声でさけんだ。

「うちの中学でもこんなことあったらどうする?」

「不謹慎すぎでしょ――」

〈トゥルルートゥルルトゥルルートゥルルー〉

誰のスマホ?って私の?やばっ!しかも女子バトの部長・木端きばたさんじゃん!

「はい、もしもし。」

『花咲さん!女子バトバトミントン来れる?いまエースが休んじゃって、☓☓中学校との合同練習なのにっ!』

「わかりました。今行きますね。」

『あと10分ではじまるんだけど―――』

「――大丈夫です。いま学校の近くなんです。」

『あーね。よろしくね。ごめん、急に。』

〈ツーツー、ツー、ツーツーツー〉

どうしようー(汗)ここから学校まで約2キロはあるのにー!仕方ない!

「アリス、頼める?」

「うん。………どうしたの?」

「バト部の助っ人」

「まだ探偵部活動中なのにーっ」

「依頼、ないでしょ?」

「…っ!わかったよー!ミカー!」


 ✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


「着きました。」

「花咲さん!早くこれに着替えて!」

「はい。わかりました。」


 ✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


「可愛っ!花咲さん可愛いっ!」

「木端さんきれいですね。」

嘘は言ってない。私は可愛くてキレイ。木端さんはキレイ。

「試合始めまーす。ダブルス第一回戦、☓☓中学校 山田と田中ペアVS〇〇私達中学校 木端と花咲ペア。はじめ! 」


最初は向こうチームのボールから。というか、…向こうチーム、どっちが田中でどっちが山田?まぁ、ツインテのほうか、ショートの子のどっちなの?

まぁ、ツインちゃんとショーちゃんでいっかな?

ツインちゃんがサーブを繰り出してきた。意外と勢いあるな〜。それを私が華麗に打ち返す。


ドン!


01私達


それからも私と木端さんのプレーはツインちゃんとショーちゃんを追い詰めていき、圧勝した。


 ✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


「花咲さんありがとね!」

「こちらこそ。また何かあったら言ってくださいね。」

「うん!じゃーね!」

「さようなら。」

ふぅ、終わった。終わった。かーえろっ!

「ミカー!早く行くよー!」

「……?」

「『……?』じゃないよ!探・偵・部っ!」

「明日で良くない?」

「今日じゃなきゃだめ!」

「円周率10個言えたらいいよ」

「ふぇー?アタシが数学できないの、知ってるでしょ?」

「うん☆」

「えー?3.28679?」

「3.14すら言えてないし、十個もない!」

「えー!?ちなみに正解は?」

「3.141592653589 793238462643 383279502884 197169399375 105820974944 592307816406 28620899――――――」

「――もういいから、もういいからっーーー!!」

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