ご飯を食べよう!
依頼を終えたあなたは、酒場で夕食を取ることにした。
今日の酒場の食事は、ジャンアントボアの肉を使った料理のようだ。
3人の仲間と共にビールとジャイアントボアの焼き肉とスープを頼んだ。
早速運ばれてきたビールで仲間たちと乾杯したあなたは、ナイフでカットしたジャイアントボアにフォークを突き刺した。
一口頬張るとスパイスが多く使われているようで、なかなか刺激的な味がする。
スプーンで掬い取ったスープを飲んだが、これにもスパイスが多用されているようで、少々辛い。
仲間も苦笑いしている。
まあいい。
今日は、ビールが進みそうだ。
あなたは2杯目となるビールで、再度仲間と乾杯した。
・・・
・・
・
食器、カトラリーですが、意外とこれが困ったちゃんなんです。
ナイフ・スプーン・フォーク、これらが何時から使用されたか、結構違うんですよ。
まず、ナイフです。
12世紀ごろに初登場しています。
が、一人一本ではありません。
大きな肉を切り分けるナイフが一本のみです。
このナイフをパーティの主催者が使い、大きな肉を切り分けて、招待客に振る舞うのが基本です。
15〜16世紀になると、個人がマイナイフを持ち歩く時代になります。
次に、スプーンです。
どの文明でも出現自体は早いのですが、食器として使用されていたかは随分と違うようです。
化粧用の顔料を溶くための道具だったり、祭祀に使用される道具だったり。
調理にも使用されていたようですが、各個人がスープをスプーンで掬って飲むようになったのは15世紀ごろと考えられています。
そして、フォークです。
11世紀のイタリアで使用された記録があるのですが、紆余曲折あって、近年のように使われれるようになったのは、17世紀と言われます。
じゃあ、それまではどうしていたのか?
答えは、『手掴み』です。
キリスト教では、指は神より与えられた聖なる道具とされていたため、フォークを使用することが憚られたというのです。
なんだか、色々あるんですねえ。
なので、中世ヨーロッパを舞台にすると、ナイフとスプーンと手掴みが基本です。
テーブルクロスで汚れた手を拭い、食べ終えた残骸は床に捨てる生活に慣れましょう。
ちなみに、日本で『箸』がカトラリーとして使用されるようになったのは7世紀以降と考えられています。
日本での『箸』の登場については諸説あるのですが、『古事記』や『日本書紀』には記載があるようです。
当時の箸は竹を曲げてトングのようにした『竹折箸』と呼ばれる形でした。
ですが、食事に使用されていたわけではなく、神様へのお供え物を盛り付ける際に使用されていました。
八岐大蛇退治で有名なスサノオノミコトが、下界を彷徨っている際に人間に巡り会えず川のほとりで途方に暮れていた所、上流から箸が流れて来たのを見つけて人里に辿り着く。といったエピソードがあります。
平安時代にはすべての日本人に箸食生活が一般化し、お箸を商売とする人も出始めたということですので、8世紀にはみんなお箸を使っていたと考えて問題なさそうです。
うーん。
異世界の住人には『箸』を使ってもらおうかなあ。
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