わかり合いたいなら、やっぱり言葉で伝えないとね!
と、言うことで、仏教用語やら、アルファベットやら、カタカナ英語やら、そんなものを気にしていたら物語は書けなさそうです。
なので、一文書き加えましょう!
『この物語は、現代人が理解しやすいように筆者が現地の人々の言葉を意訳しています!』
これで完璧だ!
………ちょっと風情は壊れるかもしれませんが。
多分、異世界の神様が、不思議パワーで意思疎通に問題が出ないように「ほんやくコンニャク」をギュウギュウに食わせてくれているのです。
藤子不二雄は偉大だなあ。
別に茶化すつもりでもないのですが、異世界ネタの定番である井戸から水を汲み上げる『手押しポンプ』を例にしてみます。
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・・
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あなたは6歳になった。
村の共同井戸では、滑車と手桶を使ったつるべ式で水を汲んでいる。
つるべ式の汲み上げは非常に労力を使うので不便だ。
そうだ!『手押しポンプ』を開発しよう!
・・・
・・
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でも、『手押しポンプ』と言う単語がない。
なんと説明すれば、理解してもらえますか?
現代人だって『手押しポンプ』なんて実際には見たことがある人の方が少ないでしょう。
『映画「となりのトトロ」で、サツキとメイがおばあちゃんと洗濯するシーンで、一緒に水を汲む時やってたアレ』
『あー、そんなシーンあったかも』
これなら伝わるかもしれません。
でも、異世界の人は「となりのトトロ」を見たことがないでしょう。
まずは、『ポンプ』とは、なんぞや?と言うことです。
語源はオランダ語のようです。
オランダ語…通じるかな?
とりあえず、漢字にしてみましょう。
「喞筒」と書くそうです。
私も初めてみました。なんて読むのかわかりません。
「喞」は漢音で「ショク」、呉音で「ソク」と読むそうで、
「喞」は、①機を織る小さな音のしきりに聞こえているさま、②虫のしきりに鳴く声、③鳥のしきりに鳴く声、④ネズミの声、⑤小さな嘆息の声、などという意味を持つそうです。
つまり、
水を汲む動作をするときに、ガシャガシャ、キュイキュイとか言いそうですね。
すいません。
『手押しポンプ』を使った事がないので、どんな音がするのかわかりません。
でも、水、全然関係ないんだ。
それでは大人に言いましょう!
「井戸の水汲みを簡単にするために『なんだか小さい声のような音がする筒』を作りたいんだ!」
………作ってくれるかなあ。
もう言葉は無視しましょう。
設計図と理論だけ作って大人にやってもらうのが一番です。
名前は好きにしてください。
もちろん、『手押しポンプ』でも構いませんし『モケケピロピロ』でも大丈夫です!
どうせ著作権は関係ない世界です。
あなた色に染めてください。
『わかりあうために言葉で伝えるのも結構たいへん』な気がします。
異文化コミュニケーションにも、ある程度共通認識できる土台がないと厳しいなあ。
多分、あなたが初めてその世界を訪れた異邦人ではないでしょう。
先輩方がなんとか溝を埋めてくれている!と信じましょう。
積極的に自分の首を絞めていくスタイル。
………嫌な事件だったぜ(脱兎)
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