俺たちの世界はこれからだ!

「ニホンやらアメリカやら、おぬしが何を言っているのか、わしにはわからんのう。

 仕方ない。わしがこの世界についておぬしに教えてやろう」


 異世界に転移してしまったあなたは、親切な老人から色々な知識を教えてもらった。


 ・・・

 ・・

 ・


 はい、ダウト。

『世界』は、仏教由来の用語らしいのです。

 サンスクリット語の『命あるものが生存し輪廻する空間で、そこにおいて一仏が教えを広める空間』が漢語化された時に『世界』が生まれたそうです。

 すげえな、漢語。

 ネットスラングの「ノンデリ」(ノンデリカシー)「GG」(グッドゲーム)なんかよりよっぽど濃縮還元してるぞ。

「世」には時間の観念に重きをおいた字であり、「界」は空間に重きをおいた字であり、「世界」とは、時間と空間の両方に配慮した訳語。だそうです。


 よくわからないけど、とりあえず仏教用語由来なんだなーで良いです。


 私たちがあまりに普通に使っているので、つい異世界の人にも喋らせてしまいますが、どういう由来でその言葉使ってるんだよ!とツッコミたくなる事も無きにしも非ず。


 前回で出すだけだした用語について、放り投げっぱなしも良くないので解説します。


「四苦八苦」

『人生は苦』であることを受け入れることから始めるのです。

「自由」

おのずからにる』=他に頼らないで、自立している様を自由と呼ぶそうです。

「有頂天」

『天上界における最高峰』を指した仏教の世界観を表す言葉。

「安心」

 仏教では「あんじん」と読むそうです。恐怖や不安から解放され、心安んじて生きていける境地のこと。

「大丈夫」

 丈夫=一人前の人間である様。大がつくので、人を超えるすごい存在。=菩薩様。

「退屈」

 仏道修行の厳しさに『屈』して『退』いてしまうこと。「暇だー」ではないそうです。

「アバター」

 古代インドの言葉『アバターラ』から。これが仏教でも『化身』として使われるようになりました。英語だと思ってました。

「愚痴」

 仏の智恵に暗いこと、衆生の根本的無知をさす。つまり、あの人ってやーね!と言うのは関係ないらしい。

「玄関」

玄妙げんみょうな道に入る関門」からできた言葉で、元々は寺院の入り口を玄関と呼んでいました。実家がお寺さん以外は使えないじゃん。



 うーん……。

 この話題に触れるのは、やめておけば良かった。



 現代に生きる我々ですら、違う意味合いで普通に使ってるじゃん!と思いますが、こ、言葉は生き物って言うから。


 もっと色々な用語をあげようかと思ったのですが、根気ががががが。


 とりあえず、私たちが思っている以上に『仏教用語は、我々の生活に溶け込んでいる』と言うことがわかりました。


 筆者の想定以上、でもあったんですが。

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