人喰い族って本当にいたの?ー3

この辺りから少しショッキングは表現も出ることがあります。

ご注意ください。


苦手な人は見ないでくださいねー。



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 カニバリズムの語源がなんとなくわかったところで、じゃあ本当にあったの?というお話です。


 ロンドン自然史博物館のシルビアベロ博士は、イギリス南西部のチェダー渓谷で14700年前に存在した人類の遺骨を発見しました。

 彼女は、いくつかの骨片に人類の歯の跡が残されていたことや、頭蓋骨の化石の一部が器のように滑らかに加工されていた形跡を認めました。

 そのことから、当時食人の風習があったのではないかという主張をしました。

 まあ、食糧難の時代である旧石器時代ならあってもおかしく無い気もします。


 次に1150年ごろの遺跡から、痕跡らしきものが発見されました。

 アメリカ・コロラド州南西部のネイティブ・アメリカンの遺跡を発掘調査していたところ、人の糞の化石が発見されました。

 コロラド州デンバーの考古学者ジェニファー・マーラーと、コロラド大学病理学教室のリチャード・マーラーの二人が、この化石の成分を分析調査したところ、ミオグロビンという色素タンパク質を発見しました。

 このタンパク質は、筋肉繊維の中にあって酸素分子を必要な時まで貯蔵する役目を果たすとともに、筋肉が赤い色をしている原因でもあります。

 ミオグロビン自体はどの哺乳類も保有していますが、豚肉や牛肉など種類によって抗原構造が異なるため、判別がつくそうです。

 食肉検査にも利用されている識別方法で、「牛100パーセントのハンバーグ!」なのに、合い挽きだったりするとこれですぐにバレるそうです。

 人糞の化石から人間由来と考えられるミオグロビンを発見したため、『カニバリズム』が実際にあったという考察がされました。


 一部の文化で、葬儀の際に死者の肉体を食するという習慣は実際にあったようです。

 ただし、儀礼や文化的なものだったと考えられます。

 前回にも記載しましたが、突発的な事故や大寒波などで食糧が手に入らず、緊急避難的な意味合いでやむなく及んだ場合などは除外しています。


 では、日常的に食人を行うことが本当にあったのでしょうか?

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