人喰い族って本当にいたの?ー2
食事中の方は、あまり読まないでください。
グロテスクな表現などはしていないつもりですが、苦手な方はご遠慮ください。
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次のような書面が残っているそうです。
『インディアスの入り口にある2番目の島、カリブの島には、他のどの島の住民も獰猛と見做す、人の肉を食べる人間が住んでいる。
彼らは多数のカヌーを保持し、これに乗ってインディアスの全ての島を巡り、手当たり次第に盗み、略奪している』(アラゴン王国糧食書記、ルイス・デサンタンヘルへコロンブスが送った手紙)
また、第二回の航海にはコロンブスの報告書の正確さを確認するため、スペイン王室から公証人が配備されたのですが、この公証人は公正性なんてカケラもなくて、コロンブスの利益になるようにホイホイいうことを聞いたようです。
おそらく多額の賄賂を受け取ったのでしょう。
『黄金の国ジパング』を正しいと言いやがったのも、こいつです。
それで、出てきた報告書が次のものです。
『カリブ族の風習はまるで獣のようだ。(略)鍋に男の首が一つ煮てあった。
他の部族の少年を捕虜にすると、去勢して成人するまで奴隷のように使い、宴会の際に殺して食べる。
我々の元に3人ほどそのような少年が逃げてきた』(チャンカ博士がセルビア市会に宛てた書簡)
うん。嘘ばっか。
なのですが、魔女狩りの風習が色濃い当時のヨーロッパでは受け入れられてしまったようです。
その上、他の探検家もこのブームに乗っかって『人喰い族』との『武勇伝』を喧伝したことや、キリスト教の布教により『食人文化』をやめさせたとした宣教師もいたようです。
これらのことから、カリブ族を表すスペイン語「Canib-」が食人行為を行うことを「カニバル(Canibal)」と呼び、この習慣を「カニバリズム(英語)」と呼ぶようになりました。
今となっては、何が正しくて何が間違っているのかわかりません。
ですが、アメリカの人類学者W・アレンズは、初期の探検家や宣教師の記録には信憑性がないとした上で、
「社会的に受け入れられた慣習として『食人』が存在したことは、時代や場所を問わずなかったのでは無いかと考えている」
という考察を残しています。
カニバリズムですが、緊急事態である遭難事故や限定された食糧難などの特殊な状況で発生した人肉食は含まれません。
あくまで、『習慣』として存在するか、ということになります。
では、人肉食は本当になかったのでしょうか?
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