少女が魔人に願うこと

天紅(tenku)

第1話

 むかしむかしの物語。語り継がれた物語。それはよくある御伽噺。

 壺や指輪やランプから、人ならざる魔人が現れる。よくぞ呼び出してくださいましたと、魔人は主人にこうべを垂れる。

 呼び出してくださったその礼に、あなたの願いを叶えましょう。どんな願いでも三つだけ、私が叶えて差し上げましょう。

 富も名誉も快楽も、すべてはあなたの欲しいまま。さあ思いのまま望みのままに、どうぞ願いをおっしゃって。

 それは語り継がれた物語。それはよくある御伽噺。




 ──語り継がれた、よくある話というものは、「真実」を含んでいることがある。

 真っ赤な嘘、ただの虚構ではなく。そう、この魔人も実は真実だった。

 時代錯誤なランプに封じ込められた、強大な魔力を持つ魔人。ランプを手に取りそれを擦った者が居れば、その者の目の前に現れて願いを叶えてやる。

 何故って、それがその魔人の存在意義だから。

 さあ、今もまた、新たな主人がランプを手にした。出番だ、仕事だ、願いを叶えよう。


「──よくぞあたしを呼び出してくれたね、ご主人様。さあ、どんな願い事でも三つだけ叶えてやるよ」


 ランプから姿を現して見下ろした先では、まだ幼さの残る少女が驚いた顔で硬直していた。十五、六歳くらいだろうか。着ている服は、確か日本という国の学校の制服というやつだ。ランプの中に入っている間も世の中の情報は魔法で入手出来るので、大体は分かる。この少女はリサイクルショップで古めかしいランプを見つけて好奇心から購入し、「魔人のランプみたい」と言いながら、冗談半分に擦ったようだった。

 ここは少女の部屋だろうか。可愛らしいシーツの掛かったベッドの上に腰かけて、少女はランプを手にしたまま、魔人を見上げてぽかんとしていた。


「え、え……。魔人? 本当に? ランプの魔人?」

「本当さ。古ぼけたランプから出てくる存在なんて、魔人くらいしかいないだろう?」

「そ、そうかも……。え、でも、ランプの魔人って、もっと胸板のたくましい男性?みたいな……?」


 戸惑っている少女が思い浮かべているのは、絵本やら映画やらのアレだろう。確かにああいった姿にもなれるが、今の魔人は女性体だった。豊満な胸とくびれた腰に露出の多い衣装を纏った、褐色の肌の美女だ。数百年前の主人がこの姿を望んだので、そのままになっていた。


「男の姿にもなれるさ。なるかい? 願い事を使うかい?」

「え、待ってください、そんなことでせっかくの願い事を使うのはちょっと……。え、あの、本当に願い事を叶えてくれるんですか?」

「本当だとも。試しに何か言ってごらん、叶えてあげるから」


 この歳の少女の願い事ならば、金、はあまり無いだろう。己の美貌か、学校の成績か、はたまた理想の恋人か。その程度ならお安い御用だ。

 ぷかぷかと、部屋の天井にぶつからないように浮遊しながら、魔人は少女の言葉を待つ。少女はしばらく悩んでいたようだったが、やがてもじもじと恥ずかしそうに、願い事を魔人に告げた。


「あの……この世界を滅ぼしてください」

「待って」


 おかしいな。今この無害そうな少女から、聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がする。空耳かな。歳かな。今回の仕事が終わったら魔人ドックにでも行こうかな。


「えー、あー、悪いね。聞き間違えたみたいだからもう一度言ってくれるかい?」

「世界を滅ぼして欲しいんです」

「聞き間違いじゃなかった!」


 なんでだよ! 思わず壁を殴りたくなった。理性を総動員して堪えた。


「お待ち。ちょっとお待ち。なんで世界を滅ぼすなんて素っ頓狂な願いが出てくるんだい。何か悩みがあるなら聞いてあげるから言ってごらん。三つの願い事には含めないから」


 悩み事もなさそうなぽやんとした少女に見えたが、そうでもないのだろうか。家庭や学校で何か嫌なことでもあったのだろうか。それにしても、現況をどうにかするのではなく世界を滅ぼそうとするなんてよっぽどだ。ファンタジーの魔王じゃあるまいし。


「悩み……というほどのものでもないんですけれど」

「悩みというほどのものでもないのに世界を滅ぼそうとするんじゃないよ。何か理由があるんだろ。家庭に問題があるとか学校で嫌な扱いを受けてるとか」

「いえ、両親との関係は良好ですし、友達も少ないけれどいい感じの距離感で付き合ってます。学校の成績もそこそこだし、先生からの評価も悪くないです」

「じゃあなんで」

「えっと、その、何か刺激が欲しいなって」


 少女は頬を赤らめて目線を逸らした。ここは恥ずかしがるところではないと思うのだが、気のせいだろうか。


「刺激、とは」

「たとえば全校集会で校長先生の長いお話を聞いているときとか、いきなり体育館に武装集団がやってこないかなーとか、それを自分が華麗に対処出来ればなーとか、誰でも考えたことがあると思うんです」

「誰でもあるかどうかはわからないけど、まあ、考えたことある奴はいるだろうね。一介の学生に対処できるわけがないけどね」

「両親や友達と出掛けて平和にご飯を食べたり遊んだりしている時に、急にビルをなぎ倒して怪獣が現れないかな、とか」

「なんで」

「南極の氷の下から古代のモンスターが這い出してきて世界中がパニックになったりとか」

「だからなんで!」


 少女の思考回路がまったくわからない。あと怪獣とかモンスターを生み出すのはさすがの魔人も出来ない。


「家庭も、学校も、特に問題ないんです。毎日平和です。幸せです。……でも、だから、何か変わったことが起きないかなって期待しちゃうんです。魔人さんが現れて、私、すごく嬉しいです。これで平凡な日常から非日常にシフトチェンジ出来るなって」

「シフトチェンジするんじゃないよ。……説教する気はないけど、贅沢な悩みだね。平和が過ぎるからこそ刺激が欲しいなんて」

「わかってます。世の中には、とても大変な思いをしている人がたくさんいる。恵まれない子供たちもいる。その一方で、何不自由していない私が願うことなんて」

「…………」

「この世界が丸ごと滅んじゃえば、みんな等しく滅亡するしいいんじゃないかなって」

「危険思想!」


 この少女はヤバい。魔人は戦慄した。

 さっさと願い事を叶えておさらばしたいが、肝心の願い事がヤバい。どうすればいいのか。長い魔人歴の中で、それなりにヤバい思想を持った主人も何人か居たが、ここまでヤバい人間はなかなかいなかった。


「あのー、さっきから私の話を否定してばかりですけど、世界滅ぼせないんです?」

「あ、あのね、世界を滅ぼすなんてそんなこと」

「魔人さんなのに、願い事を叶えられないんです?」

「うぐ……っ!」


 プライドがへし折れる音が聞こえた気がした。

 だが、誰がなんと言おうと、出来ることと出来ないことがある。魔人は血の味の涙を呑んで歯を食いしばった。


「えーと、ほら、丸い球を七つ集めるやつでも言ってたろ。神様の力を超える願い事は叶えられないって。あたしは神ですらない、一介の魔人だ。世界を滅ぼすなんて大層なことは出来ないんだよ」

「出来ないんだ……」

「ええい、あたしのプライドを念入りに砕くんじゃない! 刺激が欲しいだけなら自分の環境を変えたらどうだい! ほら、いま流行りの異世界転移だか転生だかあるだろう!」


 半ばヤケクソの提案だったが、なかなか良いアイデアに思えた。世界を超えさせるくらいなら一介の魔人でも出来る。ヤバい少女は異世界にサヨナラバイバイだ。その先で魔王になって世界を滅ぼすなりなんなり自力でなんとかして欲しい。


「それも考えたことあるんですけど」

「あるのかい」

「日本のご飯が食べられなくなるの、嫌だなって。水も合わなさそうだし、あとスマホの無い生活が考えられない」

「この現代っ子め! スマホが使えて食事が美味しくて上下水道完備した異世界ならいいのかい⁉」

「え、そんな異世界あるの……。いや良くないです。今の生活に不自由してないからこそ、新しい環境で人間関係をイチから構築するのめんどくさいです」

「正論!」


 どうやら、少女を異世界に飛ばすのは無理なようだ。あとスマホが使えて上下水道完備の異世界は、探せば多分ある。今の異世界の種類は膨大だ。


「じゃあ、何か他に願い事は無いのかい。世界を滅ぼすとか人様に迷惑かけるようなやつじゃなくて、平和的なやつ。たとえばほら、イケメンな彼氏とか」

「うーん……将来私と理想的な家庭を築いてくれる旦那様なら欲しいですけど、年齢的にまだ早いですし、ただ勢いに任せた恋をするだけの相手ならいらないですね」

「あんた本当に十代かい?」


 しかし困った。少女には他の願い事が思いつかないらしい。家庭も学校も何の問題も無いと言っていたから、本当に恵まれていて満たされているのだろう。……ならばそもそも、魔人の願いごとなど要らないのではないだろうか。


「あー……これは本当にあたしのプライド壊滅案件なんだけど、願い事が思いつかないなら、権利の譲渡や破棄も出来るよ。魔人には用は無い、ってランプの中に戻せばいい」


 呼び出してくれた主人の願い事を何一つ叶えずに帰るなど、魔人の名折れだ。だが今回ばかりは仕方がない。相手が悪かった。そう思おう。


「それはなんかもったいないです。せっかく魔人さんが来てくれたのに」

「じゃあ、保留でもいいよ。今は無くても、将来何かしら願いたいことが出来るかもしれない。人の人生なんてあっという間だからね。八十年、九十年くらいならあたしにとって大した時間じゃないし、ランプの中で待っててあげるよ」

「それもいいんですけど……うーん」


 少女は何やら腕を組んで考え込んでいる。どうやら、もったいない精神で何かしら願い事を叶えたいらしい。魔人としては、保留にしたまま百年経って寿命を迎えてくれればと思ったのだが。その方がきっと平和だ。


「参考までに聞きたいんですけど、魔人さん、さっき男の人の姿にもなれるって言ってましたよね?」

「ああ、言ったよ。もともと魔人に性別という概念は無いからね。姿を変えるだけなら自由自在さ」

「じゃあその姿は、誰か他の人の願い事で?」

「そうさ。二百年……いや三百年くらい前だったかね。この姿を望んだ男がいて……」

「え、えっちなこととかしちゃったんです?」

「してないよ! 死んだ母親の姿になって丸一日一緒に過ごして欲しいって言われただけさ」

「えっ、そんな若くて美人でナイスバディなお母さん……⁉」


 正確には、死んだ母親の若い時の姿、だった。男の理想も多分にあったのだろう。まあ、こういった願い事は人それぞれだ。別に悪いことでもなんでもない。世界を滅ぼせとかそんな願いに比べたらかわいいものだ。


「そっか、そんな願い事もアリなんだ……」


 少女がまた何やら考え始める。やがておずおずと顔を上げ、魔人を見つめた。


「あの……こんなこと、お父さんにもお母さんにも言えなかったんですけど」

「うん?」

「私、一人っ子だから、ずっと妹か弟か欲しかったんです」

「なんだそんなこと……なんで言えないんだい?」

「お母さん、私を産んだ後に病気になっちゃって……今は元気なんですけど、赤ちゃんが産めなくなっちゃったんです。小さい頃、弟か妹が欲しいって言ったら、すごく悲しい顔をさせちゃって……それから二度と言えなくて。言ったところでどうしようもないし」

「なるほどねぇ。母親の体を治してやることはさすがに出来ないが、理想の弟か妹を演じるくらいなら朝飯前だよ」

「え、ほ、本当に⁉」

「本当さ。そうだねぇ、両親の写った写真か何かあるかい?」

「は、はい」


 少女は慌てて、ベッドの上に放り出してあったスマホを手に取る。指先で何回かタップして何事か操作をした後、画面を魔人に向けてきた。善良そうな一組の夫婦と少女が、どこかのレストランで食事をしている姿が写っている。


「どこかに出かけた時だとお父さんが写真を撮ることが多くて、一緒に写っているのがなかなか無くて……。これは今年の私の誕生日に、一緒にご飯を食べに行って、店員さんに撮ってもらったものです」

「ふんふん。あんた母親似なんだねぇ」


 写真に写っている女性と少女は、目元が似ていた。少女があと十年、二十年と歳を重ねれば、女性そっくりになるだろう。ただ、ふわふわとした女性の髪質に比べて、少女の髪はまっすぐだ。こちらは男性の方に似たらしい。


「じゃあ、父親に似せてみようかね。年齢とかの希望はあるかい?」

「え、えっとえっと……。幼稚園くらいで……妹、がいいです」

「わかったよ。──ひとつ目の願い事、確かに承った」


 厳かに告げた魔人の体が、紫色の煙に包まれる。少女が驚いて目を瞬かせていると、煙はあっという間に消え失せて、そこには美女の姿をした魔人でなく五歳くらいの幼女が佇んでいた。写真に写っていた男性に似ている目元と、女性のふわふわした髪に似た栗色の毛。つぶらな瞳で、少女を見上げる。


「おねえちゃん、こんにちは」


 にっこりと笑う。

 少女は口元に手を当てて、ふるふると震え出した。指の間から「かわいい……!」という呟きが漏れている。どうやらお気に召したらしい。


「かわいい……かわいい! 私がお姉ちゃんだよ! おさがりの服いっぱい取ってあるから着ようね! あっおさがり嫌かな! 一緒に買いに行こうか! おもちゃも買ってあげるね! お小遣いいっぱいもらってるから気にしないで! 美味しいスイーツも食べようね! 幼稚園の送り迎えは毎日お姉ちゃんがするね! 夜は一緒に寝ようね! おはようもおやすみも一緒にしようね!」

「怖い」


 堰を切ったかのように、少女は子供を抱きしめて捲し立てる。どうやら妹が欲しかったというのは本当のようだ。恵まれているからこそ、言いたくても言えなかった願い事。それが思いもよらぬかたちで実現して、一気に感情が決壊したのだろう。


「あのねぇ、よくお聞き。一緒に買い物に行くくらいならともかく、あたしは魔人だから幼稚園とかは別に」

「魔人さん、二つ目の願い事」

「あっはい、なんだい?」


 願い事と言われれば、聞かないわけにもいかない。悲しい魔人の性である。


「見た目だけじゃなくて、今だけじゃなくて、ちゃんと私の『妹』になって」

「うん?」

「お父さんやお母さんに暗示を掛けたり出来るでしょう? それで、ずっと前から私の妹だったことにして。お母さんが病気になったのは妹を産んでからで、妹はちゃんと産まれて、私と一緒に生きてきたんだって周りに信じさせて。それで、これから一緒に暮らして。一緒に歳をとって。見掛けだけでも、嘘でもいいから、『本当』になって」

「嘘の妹を本当だと周りに信じさせて、この先ずっと生きていけって? またずいぶんと長丁場な願いだねぇ」

「八十年、九十年くらいなら大した時間じゃないって、さっき言ってたでしょう?」

「言ったねぇ。でもむなしくならないかい? あたしは本当の妹じゃないんだよ?」

「ならない。かわいい。百年先でも一緒に居たい。あっ、戸籍の偽造とかもちゃんとしてね。大きくなったらちゃんと学校にも通ってね。お勉強教えたりしたい。彼氏が出来たら複雑な気持ちで嫉妬したいし、結婚式には号泣したい」

「怖いんだかほほえましいんだかわかんないな! ああもうわかった、わかったよ。──ふたつ目の願い事、確かに承った」


 厳かな声と共に、りぃん、と鈴の音が響き渡った。それだけだ。特に何も変わらない。変わらない、ように見えた。


「さっきの写真をもう一度見てごらん」

「はい?」


 少女は首を傾げて、そこらに放り投げていたスマホをもう一度手に取る。たしたしと画面をタップして、写真を呼び出して、そして──。


「え……っ!」


 驚きの声を上げた。

 先ほどまでは確かに家族三人で写っていたはずのレストランの写真に、四人目が写り込んでいる。魔人が化けた姿の子供が、少女の隣の席に座って、ハンバーグの刺さったフォークを持って笑っている。


「家族写真なんだから、『妹』が写っていないと変だろう? 他の写真にもいくつか細工したし、あと部屋はここであんたと同室でいいね? この家で生まれ育ったっていう設定が不自然じゃないように私物とかいろいろ増やし、」

「魔人さんだいすき!」


 力任せに抱きしめられて、魔人は「ぐえ」と呻きを上げる。子供の姿なのだから、もう少し手加減して欲しい。


「アルバム! アルバム作ろう! 一緒に写ってる写真ぜんぶプリントアウトしてそれで、あっ、ちゃんと本物の写真もいっぱい撮ろうね!」

「ちょ、待っ、さすがに苦し」

「あっ部屋にぬいぐるみ増えてる! ぬいぐるみ好きなんだねかわいいね! 絵本もあるね! 読んであげるね!」

「いいかげん離し…………おねえちゃん、あたしちょっとくるしいから、はなしてほしいなぁ」

「ごめんね!」


 光の速さで解放された。だがしかし、手は握られたままである。愛が重い。


「こほん。……あー、それで、三つ目の願い事はどうするんだい?」

「保留にします。今はちょっと幸せの濃度が濃すぎて頭が回らない」

「最初っから大して回ってなかった気もするけどね。まあわかったよ、先は長いからね。八十年、九十年経つ間に考えておくれ」

「はい。じゃあ、これからよろしくお願いします」

「うん、よろしくねおねえちゃん」

「しあわせ!」


 魔人も少女も、この時はまだ想像もしていなかった。

 八十年、九十年経つ間に少女が魔人をランプから解放したくなり。しかし、魔人を「ただの人間」にするには、代わりに少女が魔人にならなければならないと知り。やだやだ一緒の墓に入りたい死んでも一緒に居たいと駄々をこねた少女が「じゃあ魔人の力を半分こすることにしよう」という頓狂な思いつきを三つ目の願い事にしたせいで、お互いが「魔人でも人間でもない半端な存在」となってしまい。その後、百年、二百年ほどを一緒に生き、めでたく少女の望み通りに同じ墓に入ることになるなど。

 この時は、まだ、考えもしなかった。

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