第117話 再び西の山へ
こちら士郎です。
昨日の第一回 焼肉祭りは大変盛況でした。
例によって悟郎さんは腹パツパツ、チビも俺がフルーツを盛り過ぎたせいか、無念のお残しをして、モモに顔を埋めて力尽きていた…。
チビ、お前もか!!!
何時もながら、この悟郎さんの食い切った感が溢れる腹を見て一句……。
“ 肉汁や
ナイアガラの如き肉汁の前では、どんな
季語はありません。
現場からは以上でーす。
朝のルーティンになっている、畑の手入れを完了させ、西の山で採った岩から、製錬の術で必要な素材を採集もし終わった。
岩からは、石英、石灰石、鉄鉱石が採れている。
1m大の岩から採れた量は、こぶし1つほどだ。
量も種類も足りないし、後は今度こそ牛乳を……なんとしても牛乳を手に入れたいと思ってるんだ!
その為の、デカい“かめ”も買ってある。
それに西の山には、まだお宝が眠ってると思うんだ。なので、悟郎さんのOKが出たらまた行きたいんだよ。
そうしたら、戻って来るのも面倒なんで、ハウス設置場所も移動に合わせて変えようと計画してる。
広さの確保は問題ないけど、岩山の途中でぽつん○一軒家は俺がちょっと落ち着かない。
せめて緑地帯に接してハウスは置きたい。
なのでハウス設置場所の検討もしつつ、再度、西の山へ向かうつもりだ。
そして、暫らくは西の山攻略に尽力したい。
南の山もレイニアビーに邪魔されて中途半端なままだけど、モウの肉と採取の可能性が残ってる牛乳を前に他へ行く事なんか出来ないな。
「ニャアニャウ(おはよう)!」
「あ、起きたのか?悟郎さんおはよー!」
キッチンに居たら、悟郎さんが肩に乗って来た。
チビも来てるけど、どう見ても悟郎さんの背中でまだ寝てんな…。
「悟郎さん、朝めし何がいい?」
「ニャッニャゥッ(同じやつ)!」
「え?朝から焼き肉?!」
どうやら、肉増し野菜炒めのうどん入りを、気に入ってくれた様です。
但し、肉は更にもっと多くしろとの追加注文……。
牛丼有名チェーン店の朝定だって、牛肉は小鉢程度なのに、うちの悟郎さんのニーズは時間を問わず肉への比重が大きいな!
じゃあ、俺も悟郎さんに倣って野菜増しで朝めしにするわ。
「悟郎さん、朝めし食ったらまた西の山に行かない?モウの肉も取りたいけど、まだ見てない所に何かあるかもしれないから、探索したいんだ。」
「ニャッ(わかった)!」
牛乳が手に入ったら、そこから更にバターやクリームへ繋がって、さらにチーズ作りの野望がついに達成出来るかもしれない。
必要なのはメスのモウ。出来れば子育て中だと更に都合が良い。
レンネットが取れるなら、子モウから魔法で頂こうと画策してんだよ。
生きてる状態でも抽出が出来れば、無駄な殺生しないで済むしな。
俺は、仔牛の○○とかの料理には余り興味がない。
それなら、最大限デカく育ってから俺との再会を約束して欲しいぜ。
成体のモウで、十分過ぎるほどに美味いからな!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「戻って来たぜ!西の山ぁ!!」
「ニャフゥ(行くよ)!」
「……あ、はい。」
チビと会った緑地帯までは、ガンガン飛ばして進み、探索を続けて行く。
途中で、製錬済の岩を戻し、チョコチョコ採取をしながら、メスのモウを含む3匹を討伐した、悲しみエリアから再スタートだ。
今回は、悟郎さんも約束を守ってくれるはずだ…!
「チビ!美味そうな果実見つけたら、俺か悟郎さんに教えんだぞー。取りに行くからなー。」
「キュウキュッ!!」
これで、果物センサーも起動したな。
やっぱり、好物への探知能力はそれを主食としているヤツが一番長けているだろ?
俺は、野草センサーが標準装備だからな!
悟郎さんは、もちろん肉センサーだ。間違いない。
「あ?早速なんかいるな…。」
「ニャ(うん)。」
木の上に何かいるのは分かったが、まだ姿が見え無い。
……チビが、怖がってる。コイツの天敵か?
索敵重ねをして、目を凝らす。
………あ!いたいた!何だよあの保護色!ズルいだろ!!
そこには、木に絡みつく様に緑ベースに茶色の柄をまとったヘビがいた。木の幹並に太いな…久しぶりのヘビだ。
名前 なし
性別 男
種族 ミミクリースネーク
レベル 42
属性 風、土
状態 空腹
体力 183
耐久 181
力 210
魔力 197
知力 174
瞬発力 29
運 32
特技 丸呑み 巻き付き 吸引 串刺し
弱点 下腹
えぇーーー!!2属性も持ってる!
瞬発力は無いけど、魔法?で吸引して引き寄せたり、串刺しで足止めしたりすれば速さはあまり関係無くなるな…。
力もあるし嫌な敵だ。気付かれる前に倒すが吉だぞ!
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