第89話 南の山でモ◯ハン気分

 狩りと採取。


 モンスターならぬ魔物が出てくる異世界。今俺は、リアルモン○ン的な気分で南の山に来ている。


 しかも、初心者向けの浅い森。

 間違っても、恐竜モドキは出て来ない。

 大空の覇者みたいなヤツの巣も無いだろうし。


 そうだ!今日の昼めしは、外で食おう。

 そんで、一杯上手に肉を焼くんだ!


 あ〜、あのぐるぐる回せる肉焼き器みたいなヤツ良いよな〜。芯棒になる串を金物で作って、あとは、Yの字形で支えになる物を同じ金物で2つ用意すれば出来そうだよな…。


 まだ、何もゲットしてないが、先行妄想が非常に捗っていた。


 今回は、狩りは居たら狩る程度にして、採取メインの日。悟郎さんにもそう言ってある。


 納品品目は、お茶の原料となる葉っぱの採取。

 それと、あればフルーツ系の採取。木苺くらい生ってねぇかな?と。


 あれば、悟郎さんにジャム増しのパンを食わせてやれんだがなぁ…。


 南の山はディアがメインで、所によりホロトリとラビットに会えると聞いている。

 そして、東の山と違い高木が少なく原っぱみたいな山だ。


 そこには、草食のディアが好んで食べている草があり、話だと笹っぽい物だとの情報も得ている。

 早速、お茶の原料候補が得られそうで、ウッキウキだ!


「悟郎さん。前方に見えるのがディアだね。」

「ニャ(うん)!」

「結構群れでいるんだな…。あそこには…8匹いるから、半分ずつやろうか?」

「ニャッ(わかった)!」

「じゃあ、俺は右手の相手するから、悟郎さんは左手お願いなー!」

「ニャフゥ(行くよ)!」


 悟郎さん、お初の相手にテンション上がってますね!煮込みで食べた肉も美味かったからなぁ…。

 あの赤身肉は、ローストもイケると思うんで、作ってみるか!


 だとすると、赤身肉にはベリー系のソースとかが合うって読んだ事あんるだよな〜。

 ホントは胡椒もあれば、より良いアクセントになって肉の臭みも取れんだけど。

 街にも、店主さん店にも無いんだよな…。


 ディアの群れは、ひとつのコロニーを形成している様で、デカ目のオス一頭にメス3頭とその子供4頭の組み合わせだ。

 子供も既に成体と同じサイズに育っている。


 悟郎さんとも話して、小さな個体は獲らない様に決めていたけど心配なさそうだな。


 しかも、年二回の繁殖期があるから、間引きしないとドンドン増え食害にまで発展するらしい。

 特に秋は、春に産まれた個体が繁殖可能となる為、放って置くと1年で南の山を食い尽くす可能性もあるとか。


 そんな訳で、狩る場合は成長前の個体以外は、率先して狩って良いとギルドでも確認してきた。

 だが、行き成り成体8体は多いぞ。


名前 なし

性別 男

種族 フォレストディア

レベル 41

属性 風

状態 食事中


体力 121

耐久 119

力  116

魔力 89

知力 84

瞬発力 90

運 48


特技 突撃 後ろ蹴り 風魔法


弱点 眉間


「悟郎さん!ヤツら魔法使えるから気を付けて!」


 ヤベぇ!初めて、魔法使える敵だわ!

 まさか、ディアが使えると思わなかった!

 俺は気付かれる前に、頭を集中して狙い、操水の術で作った弾丸を飛ばした。

 サッサと倒して悟郎さんのカバーに回ろう。


 悟郎さんまだ砂飛ばし以外は、接近戦用の特技しか持ってな………あれ?

 悟郎さん?それ何?!なんか機関銃を撃ってるみたいに見えますが?!


名前 悟郎(士郎の従魔)

性別 男

種族 デザートキャット(転移者の保護中)

レベル 41

属性 土

状態 食いたいぞ


体力 103(+30)

耐久 97 (+30)

力  98(+30)

魔力 100(+30)

知力 99(+30)

瞬発力 102(+30)

運 136(+30)


特技 猫だまし、砂飛ばし、ネイルナイフ 礫乱射


 いやぁぁぁーーーー!!

 悟郎さん、スゲー特技生えてた!!砂がつぶてにグレードアップしてる!

 俺また、ステータスチェックを疎かにぃぃー!!

 しかも、ディアをそんなに食いたかったの?

 先に言ってよ〜!

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