第9話 異世界でも報連相希望
今、俺が使える特技といったら小難しく表示されたいわゆる“鑑定”と、俺の悪口と思しき用途不明の“
手軽に使えて実用的な特技は一切無し。今、俺に必要な物。ドライヤーと着替えです。えぇ、とても切実に。無い物は無いので、低体温にならない様にうろついてます。
「あぁ〜寒っ!何かやって気を紛らわさないと……スマホで音楽聴いて……は充電無くなるから駄目だし………。」
勿論、参考書で勉強は最初から除外。異世界お受験とかがあるんなら別だけどな。その時、リュックを漁りながら違和感を覚えた。
あれ???なんでリュック無事なの?俺と一緒にヤツ等の体液沢山かぶったよな………?
一切、汚れが無いリりュックに今更気づき、慌てて確認をした。
【転生者のリュック(所有者限定):転生者所有のリュック。防汚、不壊、容量無限、時間経過無し。所有者から一定距離離れると自動で戻る。所有者が死亡した場合は内容物と共に消滅する。】
「オイ!報連相がねぇぞ!こう言う大事な情報は、最初に教えてくれなきゃ駄目だろうがよ〜!」
元々、俺が持っていたリュックだったから、中身以外は気にも留めていなかった……。しかも何気に高性能だぞ。
「え?じゃあ服は?!服にも何かの機能が付いてるのか?!」
【転生者の衣類セット(所有者限定):転生者が着用していた衣類。物理防御+20、魔法防御+20。セットで着用しないと効果は発動しない。】
「何この差!スペックの差がエグい!服にこそ防汚機能を付けろよ!気が利かねぇな〜。」
まぁ、ヨダレにまみれた位だから、防汚か付いていないのは分ってたけどさ…。他の荷物がどうなのかも確認しておくか…。
【転生者の参考書(所有者専用):転生者が学んでいた参考書。魔力量・レベルにより学べる魔法が増える。転生者オリジナルに付き、異世界の魔法とは異なる。】
「……!魔法?!ええっ?!参考書で覚えるとか嘘だろ?!魔法の書とか丹田に魔力集めるやつとかじゃなくて?!」
開く気もなかった参考書を手に取った。パラパラめくると、最初の方のページには記載があるが、他は真っ白なページの状態だった。
魔法が使えるのは素直に嬉しいマジで。だけど覚え方が何か嫌だ…。たぶん異世界に来たのにコレじゃない感が半端ない。
「そうは言っても、念願の魔法だからな…。何が出来るか楽しみではあるな!」
最初のページを見ると、日本語とは異なる異世界の物であろう文字が記載されていた。読めないはずの文字がスルスルと頭に入って来る。
「……索敵の術?は?!“術”なの?!なんでここでも日本風味を付けてくんの?!実はこちらの神様は日本被れの方なんっすか?!特技のネーミングといい昭和レトロ推しな感じっすね?!好きだから別に良いけどさぁ!」
またしても、厨ニとは違った残念な感じを抱きつつ、取得可能になっている魔法のページを読み込んでいった。
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