第42話 2度目のオークの群れ

 腰は重たいが体が鈍る前に冒険に出なければ、強敵に出くわしたときに確実に死ぬ。ということで冒険に出ることにした。今回の目的はオークの討伐である。ちなみにオークの上位種とか変異種がいるかもしれないとのことで俺たちに向けた依頼であるとのこと。

「変異種がいるかもしれない...私は行きたくないです...」

「クロ、あきらめて行こう。俺たちに向けた依頼だし。」

「はい...」

 大体のモンスターの変異種は強いことが多いのでクロが行きたくない理由はわかる。しかし、いるかもしれないというだけでいることが確定しているわけではない。ここはいないことを祈って行くしかないのである。いやだな、復帰早々依頼が重たいよ。もっと安全な奴に行きたいよ。


「そういえば、ユートさんの休んでいる間にしていたことって見れるんですか?」

「まあ、今日は機会がありそうだし見せれるんじゃないか。」

「楽しみだね!」

「私は行きたくないです...」

 そんなに期待されても困るんだけと。あと、一人だけテンションが低過ぎる。


「モンスターの群れがいますね。」

「よし、頑張るか。」

 クロがモンスターをいち早く見つけてくれるおかげで戦闘準備がしやすい。前線を張る以外なら本当にありがたい。そして、サーチの魔力を俺が使わないのでミールの魔力も温存できる。いや、回復魔法を使って魔力切れしているところは見たこと見たことないけど。用心することに越したことはない。


 オークは合計で5体、決して多くはないが油断はできない。オークは力が強いから一撃でももらえば結構なダメージが入る。だから確実に一体ずつ仕留めていく必要がある。

「それじゃ、ガーベラ、コスモはいつも通りよろしくね。」

「はいよ!うまいこと気を引いておくよ!」


「スモーク!」

 あたりはクロの発生させた煙で満たされる。次にはオーガの巨体が倒れる音が聞こえた。おそらくガーベラたちが足元をすくったんだろう。

「トラップ!」

 落とし穴に落ちる音が響く。さすが専門職だ、普通のトラップでオークを落とすことができる。

 ガーベラたちが2体、クロが2体の足止めをしてくれているので、俺は残りの一体を倒すことに集中できる。

 俺は数日間、魔力操作の練習だけをしてきたので武器に魔力をまとわせることに成功した。実際はもっと難しいんだろうけど、俺の剣は魔力を吸収する効果があるのでまとわせやすかった。盾にはまとわすことできないし。


 体にも魔力をまとわせているので普段では考えられないスピードでオークに接近することでできた。

「そい!」

 魔力で強化された剣は切れ味が増しており、オークの足を簡単に切断することができた。これが魔力操作かすごく戦いやすい。

「フライ!」

 身体能力が上がっている上に魔法を使うことで、一気にオークの頭上までジャンプできる。そして、そのまま重力に身を任せてオークの脳天を剣で一突きする。

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