第38話 倒した奴の正体
「で、何があったんだ。」
ギルドの奥に案内された俺たちは、すぐに問い詰められる。もともと雰囲気があるギルドマスターからそんなに問い詰められるのは怖いものである。目つきが怖いんだよ。
さすがに隠す必要もないのですべて正直に話していく。
「そうですね。依頼を受けてオーガを倒したんですよ。そこまでは順調だったんですよ。」
「そんな御託はいい、さっさと何があったか答えろ。」
だから怖いんだって。少しはこっちの気持ちを汲んでほしい。そんなに俺を追い詰めつといじけて何も言わなくなるぞ。さすがに元社畜は上司に弱いから言うけれども。
「正直俺たちも正体はわかってないんですけど、人語を操るモンスターに出会いました。そして、限りなく人間に近い容姿をしてました。そして、ハイスピードウルフに匹敵するスピードを持っていました。」
「それは、本気で言ってるのか?」
あまりにも衝撃的なことだったのか、ギルドマスターは言葉に詰まりあたりは静寂に包まれる。
そんな中、受付の人が口を開く。
「実際どんなモンスターかよくわからないので、一旦カードで確認しませんか?」
「それもそうだな、カードを預かってもいいか?」
拒否をする理由はないので素直にカードを渡す。受付の人はカードを受け取りその場を後にする。
「本当にお前たちはやらかしてくれるな。」
「好きでやらかしてるわけじゃないんですけどね。」
ギルドマスターはやれやれといった様子でこちらを見てくる。やれやれはこっちのセリフだよ。よくわからない土地に飛ばされて冒険に出るたびに強いモンスターに出くわす気持にもなってくれよ。
数分経ち、受付の人があっけにとられたような顔をしながら部屋に入ってきた。
「大変です!ユ、ユートさんたちが、た、倒してきたモンスターは…」
「いったん落ち着け。」
「すみません、それがですね、倒してきたモンスターなんですが鬼と出たんです。」
「お、お、鬼だって!」
ギルドマスターたちは驚いているが、正直俺たちは何のことだかまったくわからないので置いてけぼりである。
「お前たちがわからないのも無理はない。特殊なモンスターはギルドのほうで内密に管理しているからな。」
「なんでそんな必要があるんですか?」
「ドラゴンとかはあまりにも強くて戦いに行きたいないだろ。けどな、ぱっと聞いた感じいけるんじゃないかみたいに思うような奴は隠さないとそいつを倒そうと躍起になるやつがいるんだよ。」
「確かに。」
「ほかに理由がないわけではないが、主な理由がそんな感じだ。そして、今回倒した鬼はAランクに該当する。」
また、モンスターのランクが上がった。
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