第28話 2度目の謹慎

 やっとの思いでオークの群れを討伐し、食事にありつくことができた。ガーベラの作ってくれた料理はどれも絶品であり、すぐに完食してしまった。

「ごちそうさまでした。本当においしかったよ。」

「お粗末さまでした。喜んでもらえて作った甲斐があったわ!」

 満面の笑みで返事をしてくれたガーベラであった。


 オークの群れの討伐を終え町に帰ることにした。そして、いつものようにギルドに寄ると、

「あのユートさん、これはどういうことですか」

「あ、あのですね…」

 ギルドの受付の人は驚きもあるだろうが、どちらかというと怒り気味であり、ギルド内にいた他の冒険者は驚きのあまり騒然となっていた。そんな中誤解がないように説明をするのは至難の技である。流石にハイスピードウルフみたいなモンスターがいれば大ごとになるよね。ガーベラさん、あなたが原因なのにコスモの上で寝るんじゃないよ。


 数分の間、起きたことを丁寧に説明をして、やっとの思いで納得してもらった。

「事情はわかりました。本当にいつも何かしらやってくるんですね」

「申し訳ないです」

「あと、もしかしたらなんですけど、そのハイスピードウルフがモンスターの行動を変えてしまっていたかもしれません。そこまで強力なモンスターがいるとなると、防衛本能が働き住処を変えてしまうことがあるんですよ。」

「そうだったんですね。なんか色々と申し訳ないです。」

「原因がわかってよかったです。しかし、それが本当の原因かわかりませんので少しの間町で過ごしていてください。」

「あ、はい。」

 二度目の謹慎命令である。こればかりは仕方がない。それと、ガーベラさんはもう少し申し訳ないような感じで聞いていてよ、俺が怒られるじゃないか。俺もその毛並みを撫でたいよ。


 オーク、オークジェネラルの討伐に伴い、結構な額の報酬をもらえたため、謹慎中はこれでどうにかしてくことにする。そして、短剣が折れたため新しいのを購入する必要がある。2人からは許可をもらい、後日鍛冶屋に出向くことにした。

 オーガやオークジェネラルの一部は武器などの素材になるらしく、それらを持って鍛冶屋に向かった。


「すみませーん」

「・・・」

 鍛冶屋のカウンターには無愛想なヒゲを生やした男が無言でこちらを見ている。うん、その顔は怖いのよ話しかけやすい感じでいてくれよ。

「この素材を使って武器を作ってもらいたいんですが」

「にいちゃん、見た目の割に強いんだな。」

「あ、あはは」

 口を開いたと思ったら随分と失礼なことをいうもんだよ。たしかに弱いけどよ。 

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